おすすめの木軸万年筆と魅力や特徴
書き手に温かみを与え、使い込むほどに深みのある味わいが出る木軸の万年筆。2本として同じ木目の万年筆は無く、非常に愛着の湧く万年筆だと高い人気を博しています。
意外かもしれませんが多くのブランドから多様な種類が展開されている木軸万年筆の特徴と魅力についてご紹介します。
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木軸の万年筆とは?
万年筆の軸にはプラスチックや金属はもちろん、エボナイトやセルロイドなど非常に多くの種類の素材が使用されています。中でも自然な手触りや質感の良さと、使い込むほどに光沢や味が出る「木」は、根強い人気を誇る素材です。
意外かもしれませんが国内外の多数のブランドから、多様な種類の木軸万年筆が展開されています。使われている木の種類も様々であり、スギやヒノキカエデなど枚挙に暇がありません。
もちろん木の種類によって質感や味わいが異なりますが、それ以上に影響が大きいのが木軸の表面処理の方法です。代表的な木軸の表面処理方法を以下に記載します。
- ラッカー処理
- 漆重ね塗り
- 樹脂系含浸剤
- 拭き漆
- ワックス磨き
- 未処理
この中でも「ラッカー処理」された木軸万年筆が多くのブランドから展開されていますが、この「ラッカー処理」と「漆重ね塗り」の表面処理をされた木軸万年筆は、木の経年変化を楽しむことが出来ません。
木軸の万年筆が持つ魅力
木軸の万年筆の魅力としては、何と言っても木の質感や手触りです。木に対して直感的にポジティブな感情を持つ人は非常に多く、愛着を持ちやすいアイテムとなります。木軸の万年筆は自然な手触りが魅力であり、使い込むごとに光沢を増す変化に愛着がわきやすく、長く使うことが前提のアイテムである万年筆と非常に相性の良い素材です。
木軸の万年筆は、磨いて美しい光沢を出すという楽しみもあります。これを手間が増えるという人には向いていませんが、次第に変化していく自分だけの万年筆という点に魅力を感じる人が多く、熱心なコレクターも多い万年筆です。
また、木軸の万年筆には実用的なメリットもあります。それは万年筆にとって最大の弱点である「インク漏れ」のリスク低減です。インク漏れとまではいかなくても、特に冬場はインクが出過ぎて安定しないことはありませんか?
これは、手から伝わる体温によってインクタンク内が温められて空気が膨張し、インクを外に追い出そうとするためです。インクを満タンにして置けばこの心配はありませんが、インクタンク内に空気がある状態では温度差によってインクが漏れるリスクは万年筆につきものです。
しかし、木軸の万年筆はこのリスクが非常に少ないと言われています。なぜなら、木という素材の特性として熱伝導率が低い為です。熱を伝えにくい木軸は、温度の変化をインクタンク内に伝えにくいので、インク漏れのリスクが通常の万年筆よりも低いことが多いのです。
木軸のおすすめ万年筆
国内外の様々な筆記具ブランドから、多種多様なアイテムが展開されている木軸万年筆。使われている木の種類も様々であり、表面加工もそれぞれに異なっているので、同じ木軸万年筆と言っても特徴や質感、書き心地が全く異なります。
そこで木軸万年筆の中でも特に人気の高いものをご紹介しますので、木軸万年筆選びの参考にしてみて下さい。
パイロット カスタム・カエデ 万年筆
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日本が世界に誇る筆記具ブランド「パイロット」が展開する木軸万年筆「カスタム・カエデ」。実は歴史の古い万年筆であり、パイロットの定番万年筆としてモデルチェンジを繰り返しながら販売されています。
木はイタヤカエデが使用されており、木のひび割れを防止するために表面は樹脂系浸透剤で加工されています。しかし表面はナチュラルな質感が残っており、使い込みや磨きによって光沢が出たり、経年変化が楽しめます。
他のパイロットの万年筆と書き味が異なり、柔らかいペン先が特徴です。文字の強弱を付けやすい万年筆であり、実用性よりも趣味的な要素が強い万年筆と言えます。
ファーバーカステル 伯爵シリーズ 万年筆
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230年以上前まら筆記具の生産を行っているドイツの老舗筆記具ブランド「ファーバカステル」が展開する木軸万年筆「伯爵シリーズ」。伯爵シリーズに使用されている木材の種類も様々であり、高級家具で有名な黒檀(エボニー)、バイオリンに使用されているペルナンブコなどです。
最新テクノロジーと伝統を融合させたファーバカステルの高級万年筆であり、「常に最高水準の品質で消費者の期待に応える」というファーバカステルのブランドコンセプトを実現する名品です。
表面の加工方法は樹脂系の浸透剤であり、木材のひび割れを防いでいます。また、木材独特の使い込むことによって生まれる艶や質感の変化も楽しめる木軸万年筆です。
プラチナ 屋久杉万年筆
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日本を代表する万年筆専門ブランド「プラチナ」が展開する高級木軸万年筆「屋久杉」です。高級木材である屋久杉を使用した木軸万年筆はいくつかのブランドから出されていますが、このプラチナの屋久杉は他社とは一味違います。
上屋久観光協会や屋久町観光協会の協力を得て、樹齢3000年以上の厳選された屋久杉を用いて作成しています。他の木材とは一線を画す繊細な木目が非常に美しい万年筆です。
この屋久杉本来の美しさを活かすために、無染色で削り出しの屋久杉を未処理で加工しています。ですので扱いには注意が必要ですが、屋久杉が持つ本来の美しさや経年変化、艶を楽しむことが出来ます。