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万年筆の構造

万年筆の構造

万年筆の主要部分はキャップ、ペン先、ペン芯、胴軸部分で構成されています。中でも特に精密な構造を持つのがペン先で、万年筆の書き味を左右するパーツです。

万年筆のペン先にインクが到達して文字が書ける原理として、まず胴軸内のインクがペン芯を経由してペン先に移行し、ペン先の切り割りを伝わることで筆記が可能となります。これらが上手く組み合わさることで、スムーズな書き心地が実現します。

ここでは、万年筆の構造について、それぞれのパーツとその特徴をご紹介します。

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ペン先(ニブ)の構造

ペン先(ニブ)

ペン先には、書き心地を実現する柔軟性、長年使用するための耐久性、インクの常時接着に対する耐酸性がそれぞれ必要とされています。これらは素材や形状によって大きく左右されます。

ペン先に使われる素材

ペン先は万年筆の命です。ペン先には以下の種類の素材が用いられています。

一般的にペン先には金が使用されています。金は弾力性に優れるだけでなく、酸化や腐食にも強いためです。通常、純度は14Kのものが一般的であり、製品の耐久性と柔軟性が高いことから、最も普及されています。

一方で、18Kの金を使用した製品も存在します。これは、「18K以上しか金とは認めない」というフランスの主張に則したものであり、高級思考の愛好家への配慮でもります。日本国内では、競争激化に伴い24K(純金)までエスカレートした過去もあります。

鉄・ステンレス鋼

金と比べると柔軟性に欠けますが、費用対効果は抜群で量産も可能であるため、低価格の万年筆に利用されています。製品によっては金メッキが施されているものもあります。

プラスチック

耐久性は金属製品に大きく劣るため、一般的には使い捨てペンに用いられることがほとんどです。

ペン先の形状

太さ

ペン先は異なった太さのものが数種類用意され、EFもしくはXF(極細字)、F(細字)、FM(中細字)、M(中字)、B(太字)、BB(極太字)、C(特太字)、MS(ミュージック)などに分類されます。これらは製造するメーカーや、紙やインクの種類によっても左右されます。

ペンポイント

ペン先の末端(ペンポイント)は丸い金属が溶接されていますが、これは金とは異なる金属が使用されます。金は弾力性に優れていますが、摩耗には弱いため、より硬い金属を溶接することで耐久性を向上させています。この金属には、イリジウムとオスミウムの合金であるイリドスミンの球が溶接されています。

切り割り

ペン先の先端には切れ込みが入っており、筆圧が加わった時に湾曲するようになっています。切れ込みは後述するハート穴までつながっています。万年筆の独特の書き味は、力の強弱によるペン先のたわみにより生み出されます。

ハート穴

ペン先にはハート穴と呼ばれる穴が中心についており、筆圧によってどれくらいしなるかを左右する重要な部分です。14Kや18Kなどがありますが、一般的に数字が大きくなるほど柔らかいという性質があります。

ペン芯

ペン先にインクを供給するための装置です。ペン芯にはインクが出る溝と空気が通る溝があり、毛細管現象を利用して安定したインクの供給が可能となっています。

>>万年筆のペン先の種類と特徴について

胴軸部分(万年筆の本体)の構造

胴軸部分(本体)

万年筆で文字を書く際、胴軸の重さのバランスは書き味を左右する重要なポイントです。

以前は、エボナイトセルロイドなどの軽量なものが使用されていましたが、現在ではプラスチックやアクリル製などに加え、金属に塗装を施したものなどが一般的です。耐久性が優先された高級品においてはエボナイトを、風合いにはセルロイドが製品によって現在でも用いられています。

また、万年筆の価値(高級感)を出すために、宝石などで装飾されていたり、伝統工芸を駆使してデザイン性を高めたものも数多く存在しています。

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キャップの構造

キャップ

インクの乾きや飛散を防ぐためにもキャップの構造・性能は重要です。

万年筆のキャップには、一般的にネジ式と呼ばれる固定方法が採用されており、気密状態が保持されるような構造になっています。

低価格帯の製品は、キャップを押し込むだけで固定されるものもありますが、インクの飛散を考慮するとネジ式の製品の方が安全であると言えます。

インクの補充方式

インクの補充方式

万年筆に用いられるインクは全て水性で、ペン先で固まり詰まってしまう油性製品は使用されません。

>>万年筆のインクの種類について

インク充填の方式には、ボトルにペン先を浸してインクを吸入するタイプ(吸入式)、ペンの胴軸内にインクカートリッジを挿入するタイプ(カートリッジ式)、これら両方の特徴を持つタイプ(コンバーター式)の3種類が存在します。

近年では、付け替えるだけの簡単なカートリッジ式が採用されているものが多くなっています。調印等で用いられるタイプのものはコンバーター式であり、ペン先をインク瓶に浸してインクを吸い上げます。

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