ロットリングの特徴と人気のおすすめ万年筆
1928年、旅先のアメリカの産業博覧会で出会った1本の風変わりなペンからロットリングのすべてが始まりました。創業者であるウィルヘルム・リープの信念と情熱は、「正確な線こそ美しい線」という言葉からも滲み出ています。
トレードマークの赤いリングは、世界中で信頼の証として愛されています。ここでは、そんなロットリングの特徴と人気のおすすめ万年筆についてご紹介します。
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ロットリングとは?
ロットリング(Rotring)はドイツのハンブルグ発祥の筆記具メーカーで、ウィルヘルム・リープによって1931年に設立されました。主に製図に用いる万年筆を製造・販売しています。製図にこだわり抜いた特徴からも、定規で長い線を引いたとしても滅多にインク切れを起こさず、ブレずに引き切ることができるほどのペン先の精巧さが特徴です。
ロットリングの特徴
ペン先へのこだわり
ロットリングが製作するペン先の特徴として、常に一定量のインクが供給され、決して液がボタつくことのない中空式構造を開発しました。製図を扱うプロフェッショナルを相手にした完成度の高い製品を世に送り出すことで、デザイナーや技術者から高い信頼を勝ち得ています。
使いやすさの追求
ロットリングの製品にはシンプルな構造のものが非常に多いのが特徴です。製図や筆記の際に邪魔になるような装飾をすべて取り払い、重心位置やグリップ、六角形軸の構造など、長時間にわたる書き(描き)やすさを最大限に追求した作りを追及しています。
ロットリングの歴史
1928年:発明へのきっかけ・創業
アメリカを旅行中のウィルヘルム・リープは、旅先での産業博覧会にて一風変わったパイプ状のチューブラペンと出会いました。このヒントをドイツに持ち帰り、研究の末にチューブラ万年筆を開発しました。これがロットリングの前身であるリープ社誕生の契機となりました。
1931年:主力製品の製造を開始
この年、中空パイプ式の万年筆「ティンテンクリ」を発売し、そのユニークな名称からこの万年筆の評判は瞬く間に広がりました。そして翌年には、世界34カ国に輸出するまでに拡大しました。
1944年~1954年:会社の閉鎖と再スタート
第二次世界大戦の最中、ロットリングの工場も戦争に巻き込まれて焼失してしまいます。これにより、ロットリングは一時廃業に追い込まれますが、終戦後にヘルムート・リープ(2代目)が再び発足させ、1954年には改良を積み重ねたセンセーショナルな製図ペン、「ラピッドグラフ」が誕生しました。
1989年:CADの普及と一般筆記具の拡大
CAD(コンピューター支援設計)システムの普及により、製図用の文房具が日の目を見る機会は徐々に減少していきました。そんな中でも、ロットリングの筆記具は60年以上のひたむきな製作により勝ち得た信頼から、現在に至るまで様々な場面で長らく愛用されてきました。
特に、これまでの技術を凝縮した一般向けの筆記具の開発により、数々の賞を受賞。ドイツを中心に再びその名を轟かせることになります。
1996年:品質認証
この年、業界では先行して世界の品質基準であるISO9001の認証を受けました。ロットリングの物作りに対するひたむきさと情熱、そして創業者の「正確な線こそ美しい線」という信念は、現在でも世界中の高い信頼を得続けています。
ロットリング(Rotring)の特徴と人気のおすすめ万年筆
ロットリングの万年筆は製図用に開発されてはいますが、日常で文章を書く際にも「液漏れをせず、ピタっと止まる」という強みはとても重宝されるのではないでしょうか。
現在ロットリングの製品はオフィシャルサイトにも詳しく記載されておらず、製品の入手は困難な状況のようです。もしどこかで見つけることができればラッキーです。
アートペン
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身近なデザイン・仕事用の万年筆シリーズです。無駄がなく非常にシンプルな作りで、初心者からプロフェッショナルまで幅広く愛されている製品です。
イニシャル万年筆
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ペン先は硬くハート穴が開いていないのが特徴で、曖昧なあそびがなく、狙った位置でしっかりと止められるよう製図用に特化された製品です。空気圧の調節機構やインク供給にも独特の技術を採用し、しっかりとした書き味が特徴です。見た目も非常にスタイリッシュな逸品です。
コア万年筆
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「持っているだけで楽しくなれる」というコンセプトを秘めており、さすが製図用といった具合で、ボディのタフさとグリップのつかみやすさが非常に優れた製品です。
ニュートン万年筆
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ロットリングの原型ともいえる作品で、六角形のメタルボディに細いグリップを搭載した、美しくスタイリッシュな製品です。2004年に製造中止されており、現在は手に入れるのが難しいラインです。