万年筆の軸の素材の種類
万年筆の見た目や素材感、書き心地に関係の深い軸に使われる素材。様々な種類の素材が使われており、軸の素材に対するこだわりがある人も多い重要な部分となっています。
使われる素材によって万年筆の特徴にもなるので軸の素材選びはしっかりとしたいポイントですよね。ここではそんな『万年筆の軸の種類』について紹介していきます。
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万年筆の軸に使われる素材
万年筆の軸にどんな素材が使っているかによって見た目はもちろん質感、手触り、書き心地、耐久性など様々なポイントに影響します。万年筆の用途や自分の好みによって素材の特徴を理解しておくことは非常に重要です。
万年筆はデザインで評価される面も多く、高級な万年筆の中には貴金属・宝石などで装飾が施されているものもあります。軸素材を漆で塗った万年筆や蒔絵万年筆などは伝統工芸品として海外でも高い評価を獲得しています。
他にも吸入式万年筆ではインクタンクの中のインクの残量が確認できるように窓が設けられている場合が多く、単に素通しだったり透明のプラスチックをはめ込んだだけの万年筆から、窓をデザインの一部に取り込んだ高級な万年筆までデザイン自体が幅広くなっています。
見た目だけでなく素材の重量のバランスは書き味に左右する要素でもあり、見た目以外にも様々なポイントに関係がある部分だからこそどんな素材を使っているか、その素材がどんな特徴があるのか理解しておくと自分の好みの万年筆を見つけることができるでしょう。
樹脂軸(レジン、プラスチック等)の万年筆
樹脂を素材とした万年筆は経年変化が少なく水にも強く、着色の自由度の高さから最も使いやすい素材とされており、リーズナブルなのが特徴となっている素材として最も一般的に万年筆に用いられています。
万年筆においては主にレジンが有名ではありますが、現在ではプラスチックやアクリルを軸に使った万年筆が非常に多く、コストが低く金型加工ができるプラスチックとマーブル軸が非常にきれいに仕上がるアクリルが一般的となっています。
しかしながら有名な高級万年筆にはレジンが使われている場合が多く、プラスチックやアクリルはあくまでリーズナブルな万年筆に用いられるケースが多く、軸のコストを下げることによってペン先の品質を上げやすいなどの特徴があります。
金属軸の万年筆
ステンレス製の万年筆が一般的ではありますが、熱伝統率が低いので冬などの寒い時期は万年筆自体が冷たく使いづらく感じてしまう人もいるかもしれません。しかし丈夫なのがメリットとなっているので長く使っていきたい方には向いている素材となっています。
他にもチタン、金、銀などは熱伝統率が高いので寒い時期に冷たくなることはなく、参加によって黒ずんでいくので経年変化を楽しめる素材ではありますが、ステンレスなどに比べて価格が高価になってしまいます。
エボナイト軸の万年筆
加工がしやすく耐酸性が強いのが特徴となっており、熱伝導率も低いので軸の中の空気に影響を与えず理想的なインク供給を可能にする素材として一時大変普及した素材です。紫外線などによる変色に弱い素材ではありますが、それを除けば万年筆に最適な素材をいえます。
価格は上がりますが変色を防ぐ為に漆を塗ったエボナイトもあり、万年筆愛好家でも根強い人気を誇る素材となっています。
セルロイド軸の万年筆
リーズナブルで美しく耐久性と柔軟性を持った素材がセルロイドです。エボナイトと違い様々な色に染色することが可能となっており、ヴィンテージ万年筆はセルロイドで作られているものが多いです。
経年変化によって素材自体が痩せてしまうことによる寸法の変化が激しいのが欠点となっています。なので万年筆の軸に付いている金属製のリングなどが緩くなってしまう場合があります。
樹脂軸の1つとして扱われることもありますが、樹脂軸で作られる万年筆の中でもとりわけ人気の高い素材であり、セルロイドの万年筆は別格という見方をされています。
木軸の万年筆
木材である軸であり、ブライヤーやスネークウッドなど他の素材で軸の外壁を覆った万年筆もあります。温かみがあり、手の脂によって光沢が生まれ経年変化を楽しめる素材として非常に人気がある素材で、布で磨いたりして光沢を出すなど素材の変化を楽しむことができます。
汚れやすく割れやすい欠点もある素材ですが万年筆の素材として根強い人気があるのが特徴となっています。