万年筆の使い方(書き方・持ち方)
万年筆の書き方は通常のボールペンなどとは少し異なります。最初は意識的に慣らすことが必要になりますが、書き方・持ち方共に上達すれば、ボールペンよりも優れた書き心地を実現できます。
ここでは、万年筆の書き方と、書きやすい持ち方、きれいに書くコツなどについてご紹介します。
スポンサーリンク
万年筆の持ち方
万年筆はボールペンや鉛筆とは異なり、向きが決まっていることが特徴です。ペン先も他のものとは大きく異なるので、万年筆をつかって綺麗な文字を書く為にも、以下の項目について確認していきましょう。
指の置き方
人差し指と親指で挟む形で持ち、中指は爪の部分で後ろから支えるように持ちます。ボールペンなどとは違い、手首は自由に動かせるように余裕を持たせましょう。
キャップの扱い方
外したキャップは万年筆の後ろ側に装着することでバランスが取れるような設計になっていますが、ご自身の書きやすさを優先して外す方が良いと判断した場合には、無理につけておく必要はありません。
また、5分以上使用しない場合には、インクが乾燥してしまうのでキャップを閉めておきましょう。書けなくなってしまった場合は、ペン先を水につけると復活します。
万年筆の書き方
最初は少し引っかかったりかすれたりして書きづらさを感じると思いますが、数か月後にはペン先が擦れて、どんな筆記具よりもストレスなくスムーズに書けるようになります。
万年筆の最適な角度
万年筆で文字を書く際には、ペン先の湾曲した金属面を上にして、ボールペンよりも寝かせ気味にして書きます。だいたい45度~60度傾けるのがベストです。
適切な筆圧とは?
万年筆は筆圧をかけなくてもスムーズに書けるのがポイントです。紙の上にペンを置いただけでも、毛細管現象によりインクがでてきますので、滑らせるようにして書きましょう。基本的には本体の重さでペン先に加重する感覚です。
ダイナミックな文字を書きたい場合には、ペン先をしならせる程度に筆圧を加えましょう。ペン先がしなることにより切り割りの幅が広がり、より多くのインクがペン先に供給され、より太く濃い文字を書くことができます。
ペン先のねじれ
文字を書く際にペン先がねじれる癖がある人は少し注意しましょう。筆記の際は、ペン先が常に紙と水平に接するように心がけることで、ひっかかりや切り割りの摩耗、文字のかすれを防ぐことができます。
左利きの場合
ペン先には左利きの方専用のものが用意されています。右利き用と何が違うかというと、ペンポイントの大きさです。右利きは「引いて」書くのに対し、左利きは「押して」書くので、少しでも紙との摩擦を小さくするために、ペンポイントが大きくしているという特徴があります。
万年筆で文字をきれいに書くコツ
ある程度の慣れは必要ですが、それでも上手く書けないという場合は以下の項目を改善してみましょう。
まずはリラックスする事
これまで万年筆を持ったことのない人が万年筆で文字を書こうとすると、どうしても肩の力が入り、結果として普段よりも筆圧が高くなってしまいます。これにより、切り割りが開きすぎ、2本線になったりかすんだりしてしまいます。文字を書く際には、肩の力を抜き、手首も自由に動かせるよう脱力気味にし、紙をなでるように書いてみましょう。
「永」という文字で練習する
きれいに日本語を書くためには、永という字で練習しましょう。その理由は、この漢字1文字に日本語独特のトメ、ハネ、ハライ、縦線、横線、点などがすべて含まれているからです。
書きなれた文字で練習する
普段から書き慣れている文字、例えば名前や住所などから書いてみると、万年筆の書き心地の良さを実感することができます。
肘を動かす
文字を書く際、手全体を動かすには肘を動かすことを意識しましょう。外から見ると、腕が小刻みに動いているように見えます。
文字を上から見下ろす
文字を横から覗き込むようにするのではなく、なるべく上から見下ろすようにしてみてください。横から見ると書いている文章の全体像がつかみづらく、文字も曲がってしまいがちです。
自由に書いてみよう
万年筆は簡単なポイントさえ押さえればとても気軽に使える筆記具です。
また、書き手によって使い込まれたものはその人の癖が出て、より味わい深いものへと変化していきます。