書き間違えにおすすめな万年筆のインク消し
かつては公文書やカルテなどの改竄不能な文書を書くための、主流の筆記具であった「万年筆」。今では実用や事務用筆記具としてはボールペンにその地位を奪われましたが、趣味性の高い高級筆記具として高い人気を誇っています。
万年筆での筆記で多くの方が困るのが「誤字・脱字」です。ボールペン用に開発された修正液や修正テープは万年筆の構造上使用できません。そこで活躍するのがインク消しです。万年筆用のインク消しの特徴や仕組みについてご説明します。
スポンサーリンク
万年筆のインク消しとは?
万年筆はかつては公文書などの改竄不能な書類の筆記具として重宝されていました。現在では実用や事務用筆記具では、ボールペンの後塵を拝していますが、非常に優れた筆記具として根強い人気を誇っています。
しかし、万年筆にも1つ問題があります。それは書き損じや誤字、脱字の問題です。どんな人間でも、どんな筆記具でも書き損じや誤字脱字は起こり得ることですが、万年筆の場合は修正液や修正テープが使用できません。
なぜなら、万年筆のペン先が鋭利であるため、修正個所を削り取ってしまうからです。ボールペンであれば、修正液や修正テープが使用できますし、フリクションという専用消しゴムで消せる便利な物もあります。
では、万年筆には何もないのでしょうか。万年筆で書き損じた場合は、二重線で訂正するしか方法はないのでしょうか。実は万年筆にも「インク消し」という便利なアイテムが存在します。
インク消しは、万年筆で書いた文字を綺麗に消してくれます。インク消しでは、カンジーブランドが有名ですが、このインク消しは昭和10年から販売されている歴史ある商品です。そんなインク消しの仕組みや注意点についてご説明します。
万年筆のインク消しの仕組み
インク消しの多くは、「1液」と「2液」に分かれており、これらを順に消したい箇所に塗ることでインクを消すことが可能です。「1液」には、塩酸やシュウ酸が用いられており、「2液」には次亜塩素酸ナトリウムが用いられています。
「1液」でインク内の酸化鉄を還元し、「2液」で染料インク自体を酸化させることでインクを無色にする仕組みです。つまり、化学反応によって紙に書かれたインクの色を透明にするのが、万年筆のインク消しの仕組みです。
インク消しの注意点
万年筆のインク消しは非常に便利で使い勝手の良いアイテムですが、注意点もいくつかあります。まず、万年筆のインクは染料インクでないと消えません。なぜなら、インクの成分が染料インクと顔料インクでは異なり、インクとの化学反応によって字を消すので、顔料には反応しないからです。
同様に、染料インクであれば何色でも消せるという訳でもありません。基本的に万年筆のインク消しは、ブルーブラックやレッド等一部のカラーインクの染料インクにのみ有効であり、黒色インクを消すことは出来ません。
また、万年筆のインク消しを塗った跡に万年筆で文字を書くと、消えてしまって書けないこともあります。万年筆のインク消しは非常に便利ですが、これらの注意点に気を付けて使用してください。
おすすめインク消し
万年筆のインク消しも、万年筆の人気の復活を受けていくつかの種類が販売されています。おすすめのインク消しを紹介しますので、参考にしてみて下さい。
ガンジーインキ消し
現在の価格はコチラ |
昭和10年から販売されている超有名万年筆のインク消し「ガンジーインキ消し」です。近年まで販売が停止されていましたが、現在ではプラチナ万年筆から復刻販売されています。
用紙や書いてからの時間によって左右されますが、筆記直後であれば綺麗に消すことが出来ると高い評価を得ているインク消しです。万年筆をお持ちの方には1つは持っておいて欲しい便利アイテムです。
ワンタッチペンインク消し
現在の価格はコチラ |
ラミーやペリカンからワンタッチのペン式インク消しも販売されています。片端に修正液のペン、もう片端にはブルーインクのボールペンが付いています。これは、修正液でインクを消した跡に万年筆で文字を書いても消えてしまうからです。
そのために、修正液で消えないブルーインクのボールペンが付いており、上書きが出来るようになっています。これも化学反応を利用しているので、特定の色のインクしか消せないのでご注意ください。