人気の高いイギリスの万年筆ブランド定番10選
日本では普段から万年筆を愛用しているという人は少数派ですが、イギリスは万年筆発祥の地だけあって、家庭からビジネスシーンまで幅広い場面で万年筆が愛用されています。そんな国の風土に合わせて成長し続けている万年筆ですから、世界で最も由緒だ他式万年筆だと感じている人も多いでしょう。
特にイギリスのパーカーの万年筆の人気は高く、万年筆好きの間では「ついに自分もイギリスの万年筆を買う!」と意気込む人も多いのです。
そこで、ここではイギリスの万年筆ブランドの中でも、特に日本国内で人気の高い定番ブランドや、万年筆好きな人たちから高い支持を得ているブランドまで、定番と呼ぶにふさわしいブランドを厳選して10種類紹介します。是非イギリスの万年筆を買いたい!と思っている人は参考にしてください。
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イギリスの万年筆ブランドの特徴
万年筆は英語で「Fountain pen(泉のペン)」。この言葉を生み出したのがイギリスであり、万年筆発祥の地といっても良いイギリスの万年筆は日本でも高い人気を誇っています。
しかし、イギリスは他の国と違って「パーカーの1強」という雰囲気が強く、日本人はイギリスの筆記具ブランドでパーカー以外のブランドを知らないという人も多いのではないでしょうか?他にもダンヒルなどのビジネスパーソン愛用ブランドから出ている万年筆も名を連ねていますが、やっぱりパーカー1択といった雰囲気は拭えません。
イギリスのブランドから展開されている万年筆は、どれも日本のビジネスシーンとマッチしやすいデザインが多く(日本のビジネスファッションがイギリスを真似しているため)、フォーマルな雰囲気やビシッと決まる万年筆を求めている人であれば、イギリスのブランドから好みの万年筆を探してみるのがおすすめと言えるでしょう。
ブランド名 | ブランド解説 |
パーカー | イギリスブランドの定番、創業はアメリカ。 |
ダンヒル | スーツや喫煙具などでおなじみ、ビジネスマンの定番ブランド。 |
ダックス | セーラー万年筆の品質と、イギリスのデザインが融合した万年筆。 |
ヤード・オ・レッド | 19世紀のデザインを受け継いだエレガントな仕上がりが魅力。 |
プラティグナム | 世界で初めてペン先を交換できる万年筆を生み出した名門。 |
コンウェイ・スチュワート | 上品で華麗な色使いが人気の完全英国製万年筆ブランド。 |
メントモア | ちょっとマイナーな万年筆ブランド、スタイリッシュ。 |
ワイバーン | シンプルなデザインと丈夫な作りが注目のマイナーブランド。 |
オスミロイド | イギリスのカリグラファー達から支持されているブランド。 |
デ・ラ・ルー | 夏目漱石の愛用したオノトで有名、現在は製造していません。 |
パーカー(Parker)の万年筆
イギリスを代表する万年筆のブランド、というよりは「万年筆を代表するブランド」と呼ぶにふさわしい、世界で最も愛されている万年筆のブランドがパーカーです。元々はアメリカで創業した為アメリカのブランドだという見方もあり、現在は製造拠点をフランスに移している為フランスのブランドだという見方もあります。
常に時代をリードし続け、歴史に残るセンセーショナルな筆記を生み出し続けるブランドで、1888年の設立以来最新の技術を積極に取り入れて高い評価を獲得し続けている名門中の名門。
創業当時、万年筆といえば当たり前だったインク漏れの問題を初めて解決したブランドであり、現在販売されているあらゆる万年筆は、パーカーが取り入れた技術が基盤となっているといっても過言ではありません。
パーカー(Parker)で人気の定番万年筆
ダンヒル(Dunhill)の万年筆
現在ではビジネスパーソンに欠かすことのできないファッションブランドとして知られるダンヒルですが、元々は1880年に馬具の専門製造卸売業としてイギリスに設立された会社であり、1893年より衣類や筆記具などの小物類を製造するブランドへと転身した歴史があります。
ダンヒルの筆記具を有名にしたのはAD2000と呼ばれるモデル。当時は航空機やレーシングカーにしか使われていなかったカーボンファイバー素材を使用し、他社に先駆けた素材使いが人気を博しました。
>>ダンヒル(Dunhill)の万年筆について詳しくはコチラ
ダンヒル(Dunhill)で人気の定番万年筆
ダックス(DAKS)の万年筆
1894年にイギリスのロンドンにてオープンさせた小さなテーラーから始まったダックスは、ベルトレスのスラックスを開発したことで有名になり、1956年にはエジンバラ公、1962年にはエリザベス女王、1982年にはチャールズ皇太子からのロイヤル・ワラントを授かっている由緒正しき王室御用達ブランドです。
万年筆自体は日本を代表する万年筆メーカーの「セーラー万年筆」が手がけているため、その書きやすさと安定したクオリティはお墨付き!ブランドの顔ともいえるタータンチェックやブリティッシュトラディショナルなデザインと合わさり、ファッショナブルなイギリス系万年筆を探している人におすすめのブランドといえます。
ダックス(DAKS)で人気の定番万年筆
ヤード・オ・レッド(Yard O Led)の万年筆
1882年に創始者のサンプソン・モーダンが繰り出し式のペンシルを発明し、そこから遅れること1934年にヤード・オ・レッドを設立。現在でも19世紀のデザインや工程をそのまま生かした万年筆作りが行われており、すべての製品にイギリスの純銀基準(925/1000)をクリアしたホールマークと呼ばれる認証刻印がつけられています。
筆記用の万年筆というよりは、もはやイギリスの伝統的な銀製品といっても過言ではないクラシカルでエレガントな仕上がり。どの万年筆も媚びない気品のある美しさを持っており、アクセサリーとしても胸元にアクセントを加えてくれます。
ヤード・オ・レッド(Yard O Led)で人気の定番万年筆
プラティグナム(Platignum)の万年筆
1919年にイギリスのロンドンにて設立されたプラティグナム。世界で初めてゴールドプレートと呼ばれる金で作られたペン先が搭載されたインクの補充できる万年筆の開発に成功し、1925年には世界で初めてペン先を交換することの可能な万年筆を開発した技術力の高いブランドです。
イギリス国内では高級万年筆というよりも、日常的に家庭で使われる文房具としての万年筆ブランドとして認知されており、ポップな配色やカジュアルなデザインで作られているのが特徴といえるでしょう。
プラティグナム(Platignum)で人気の定番万年筆
コンウェイ・スチュワート(Conway Stewart)の万年筆
1905年にイギリスのロンドンで設立された最高級の万年筆ブランドとして知られるコンウェイ・スチュアート。完全イギリス製にこだわっており、エリザベス女王やウィンストンチャーチルといった著名人に愛されたブランドであり、美しさと機能性を追求したイギリスのクラフトマンシップに溢れる万年筆が魅力です。
また、コンウェイスチュワートはコアモデルと呼ばれる定番シリーズ以外にも、沢山の限定生産モデルを展開しているためペンコレクターの数も多く、人気の高いデザインは世界中でプレミア価格がついて高値で取引されることもあります。
コンウェイ・スチュワート(Conway Stewart)で人気の定番万年筆
メントモア(MENTMORE)の万年筆
1920年代頃から万年筆の卸売りを始めたイギリスのメントモア。日本でもイギリス系ブランドの万年筆好きの間では人気を博していますが、知名度はそれほど高くありません。
当時はメントモアという商標よりも、プラティナムという商品名を万年筆に記載していたため、メントモアの万年筆と探してもなかなか見つかりにくく、比較的マイナーなイギリスの万年筆ブランドの中でもかなり人気の高い存在です。
ワイバーン(WYVERN)の万年筆
19世紀の後半から1950年代まで存続していたイギリスの万年筆メーカーです。こちらも上記のメントモアと同様に、イギリス系万年筆ブランドを愛する万年筆好き達から高く評価されているブランドであり、ワイバーンのNo.81を使ってこそイギリスの万年筆の持つ本当の味わい深さが感じられるという人もいます。
シンプルで飾り気のないデザインと、丈夫な軸を持っており、見た目以上に高いクオリティなのも実質剛健なブランドといったところ。イギリス万年筆は丈夫さが魅力!と考えている人なら、ぜひ探してでも手に入れていただきたいブランドです。
オスミロイド(Osmiroid)の万年筆
カリグラファー(日本で言うペン字や習字)の愛好者たちから人気の高いオスミロイドの万年筆。イギリスのE.S.ペリー社が展開しているブランドであり、日本ではプラス株式会社が輸入販売しています。
特にスケッチペンと呼ばれる単一機能に特化させた万年筆の人気が高く、細いデリケートなラインから、力強いラインまで表現力豊かな書き味が魅力となっており、ペン先にフードがしてあるためインクの流れも良く遊び心のある使い心地が特徴です。
デ・ラ・ルー(De La Rue)の万年筆
すでに万年筆の製造は行っていませんが、今なお万年筆コレクター達からの人気は非常に高く、オークションなどではヴィンテージ万年筆として高値で取引されており、イギリスの万年筆を語る上で欠かせないメーカーです。
デ・ラ・ルーのブランドといえば、最も有名なのが夏目漱石も愛用したオノトと呼ばれる傑作万年筆。現在では丸善がオノトのブランドを借り受けて復刻版を限定生産していますが、オリジナル版のオノトプランジャ方式ではなく、初心者でも使いやすいコンバータとカートリッジ兼用のインク供給方式なためマニアからは見向きもされていません。