プロジェクターの上手な選び方【初心者に向けて分かり易く解説】
「解像度」「コントラスト比」など難しい言葉が出てくるプロジェクター選び。
「選ぶのも嫌になってしまう!」という方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、初心者でも理解できるよう分かり易く「プロジェクターの上手な選び方」について解説をしていきます!
「家庭用ホームプロジェクター(ホームシアター)」「ビジネス用プロジェクター」の両方を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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家庭用ホームプロジェクターとビジネス用プロジェクターの違いとは?
「家庭用に設計されたプロジェクター」と「ビジネス用に設計されたプロジェクター」には性能に大きな違いがあります。
簡単に特徴の違いについて見てみましょう。
プロジェクターの用途 | 特徴 | |
家庭用ホームプロジェクター | 部屋を暗くして使用するのが前提。高画質映像を楽しめる。 | |
ビジネス用プロジェクター | 明るい会議室でも使用可能。資料やグラフの投影がメイン。 |
家庭用ホームプロジェクターの特徴
そもそも家庭用ホームプロジェクターは、お部屋を暗くした状態で使用することを前提として設計されています。
そのためルーメン(画面の明るさ)は、それほど必要ありません。
むしろ明るすぎると画面全体が白みがかってしまい、映像や画像が見えづらくなってしまいます。
その一方で、より鮮明な映像で「映画」や「テレビ」「スポーツ」が観れるように「解像度」が高い傾向があります。
ビジネス用プロジェクターの特徴
ビジネス用プロジェクターは、手元にある資料に目を通すために明るい会議室での使用が前提とされ、ルーメン(画面の明るさ)が高い傾向になっています。
その代わり、グラフや資料を映すのがメインなので、解像度(映像の綺麗さ)自体は高くありません。
このように家庭用ホームプロジェクターとビジネス用プロジェクターでは、使用を想定されている場所が異なり、それに伴い性能も変わってくるのです。
失敗しないためのコツとは?家庭用ホームプロジェクターの上手な選び方
ここからは、「家庭用ホームプロジェクターの上手な選び方」について解説をしていきます。
家庭用ホームプロジェクターを購入する際に確認すべきポイントを5つに分けてご紹介します!
おすすめプロジェクターを早く知りたい!という方は、「【2019年最新】おすすめの家庭用ホームプロジェクター」の記事をご覧になってください。
【STEP1】画面の明るさ(ルーメン)を確認しよう
家庭用ホームプロジェクターを選ぶ際に、まずは画面の明るさを確認しましょう。
画面の明るさは、「ルーメン(lm)」という数値で表され、この数値が高ければ高い程「画面が明るい」ということになります。
一般的な家庭用ホームプロジェクターの目安としては、「1000ルーメン(lm)」以上のプロジェクターを選ぶようにしましょう。
ただし、これはお部屋を暗くした状態で観る事を前提とした値になっています。
「昼間にもプロジェクターを使用したい!」「目が悪くなるのが気になるから、お部屋は明るくしたまま観たい!」と考えているのであれば、「2000ルーメン(lm)」以上のプロジェクターだと良いでしょう。
【STEP2】解像度と画面比率(アスペクト比)を確認しよう
家庭用ホームプロジェクターを選ぶ際に、次に確認しておきたいのは「解像度」と「画面比率(アスペクト比)」です。
解像度とは、画面のキメの細かさを表す数値になります。解像度が高ければ、精細な映像(綺麗な映像)を視聴することが可能になります。
例えば「1280×720」と表記されてあるプロジェクターは、ヨコ方向に1280個・タテ方向に720個のマス目(ドット)が存在するということです。
「映像にはこだわりたい!」と考えているのあれば「フルHD(フルハイビジョン)」もしくは「4K対応」のプロジェクターがおすすめです!
「2019年最新!4K対応プロジェクターおすすめランキング」
一方「アスペクト比」は、画面のヨコとタテの比率と覚えて置きましょう。一般的に家庭用ホームプロジェクターは「16:9」のワイドと呼ばれる比率が最適といわれています。
これはブルーレイやDVDなど通常の映像コンテンツに使用される比率であるからです。
名称 | 解像度 | アスペクト比 | |
4K | 3840×2160 | 16:9 | |
フルHD(フルハイビジョン) | 1920×1080 | 16:9 | |
WXGA | 1280×800 | 16:10 | |
HD(ハイビジョン) | 1280×720 | 16:9 |
【STEP3】コントラスト比を確認しよう
コントラスト比は、「画面の最も暗い部分」と「最も明るい部分」の比率のことを指します。
コントラスト比が「1000:1」と表記されているプロジェクターは、「画面の明るい部分」を「暗い部分」の1000倍の明るさで表示できるという意味になります。
「2000:1」「5000:1」と比率が大きければ大きい程、メリハリのある映像を見ることが可能になります。
家庭用プロジェクターの場合、「10000:1」以上のコントラスト比を持っているプロジェクターを選ぶことでメリハリのある映像が楽しむことが出来ます。
【STEP4】プロジェクターへの接続端子を確認しよう
続いては、ノートPCやスマートフォン・タブレットからプロジェクターに接続するための端子の確認が必要です。
多くのプロジェクターでは、音声と映像を1本のケーブルで送ることの出来る「HDMI端子」に対応していますが、ごくまれに「HDMI端子」に対応していないモデルがありますので注意をしましょう。
またワイヤレスで接続したい場合には「Wi-Fi対応」がなされているかをしっかりと確認しましょう。「Wi-Fi対応」がされている家庭用プロジェクターは、まだ全体の20%ほどとなっています。
ワイヤレスで接続可能!おすすめのWi-Fi対応プロジェクター【メリット・デメリットも解説】
【STEP5】その他の機能を確認しよう
最新の家庭用ホームプロジェクターには、様々な機能が搭載されています。ご自身のニーズに合わせて必要な機能を選びましょう。
コスパ最強は?おすすめ格安プロジェクターのランキング【2019年最新比較】
短焦点
プロジェクターからスクリーンに画面を投影するためには、スクリーンからプロジェクターを一定の距離を離して設置を行う必要があります。
モデルにもよりますが、「80インチスクリーン」に投影するために必要な距離は、2.5m~3m程になります。
しかし、リビングや寝室などに設置を行う場合、この距離が取れないというケースがあります。そこで活躍するのは「短焦点レンズ」を搭載したプロジェクターです。
スクリーンから、30cm~1.5m程度離すだけで80インチの大画面に投影することが可能になっています。
お部屋が狭くて、適切な投映距離が取れないという方は「短焦点機能」を搭載したプロジェクターを選ぶと良いでしょう。
【比較】おすすめの短焦点プロジェクター【安いモデルや4Kモデルも!】
台形補正機能(歪み補正)
プロジェクターは、スクリーンの正面に設置を行わないと、「画面にゆがみ」が発生してしまいます。
しかし、ご自宅の家具の配置やお部屋の構造にによっては、プロジェクターをスクリーンの真正面に上手く設置できないケースもあります。
そんな時は「台形補正機能(歪み補正)」を搭載しているモデルを選びましょう。モデルによってボタン一つで補正を行ってくれるものや、本体に付属してあるレバーを手動で調節するものもあります。
3D対応
最新のプロジェクターには「3D映像」を楽しむことの出来るモデルも発売されています。
3Dで映像を楽しみたいと考えているのであれば、「3D対応」のプロジェクターを選ぶようにしましょう。
なお、3D映像を視聴する場合は別途3Dメガネの購入が必要になってきます。
内蔵バッテリー
キャンプやアウトドアなど野外でプロジェクターを使用したいと考えているのであれば、「内蔵バッテリー」を搭載しているモデルを選ぶと良いでしょう。
内蔵バッテリーが搭載されていれば、電源が確保できない場所でも最大で5時間程度の使用が可能になります。
内蔵バッテリーを搭載しているモデルの多くは「ポータブルプロジェクター」と呼ばれ、持ち運びを前提に設計されたものになります。
ゲームモード
最近のプロジェクターには、ゲームを大画面で行うのに適した「ゲームモード」を搭載しているモデルが存在します。
通常のプロジェクターと比較するとタイムラグがなくコントローラーの操作を瞬時に反映することが出来ます。
低遅延でストレスなし!おすすめのゲーム用プロジェクター【選び方や接続方法も解説】
【番外編】メーカーで選ぶ
ここまで家庭用ホームプロジェクターの選び方について解説してきましたが、それでもどのプロジェクターを選べば良いか分からないという方は、メーカーで選ぶのも一つの手になってきます。
かつては、エプソン(EPSON)とソニー(SONY)といた国内メーカーが家庭用ホームプロジェクターのシェアの大半を占めていましたが、最近では台湾に本社を置くBenQ(ベンキュー)が大きく躍進し、シェアを伸ばしています。
国内メーカーよりも安い価格帯なのがBenQ(ベンキュー)の特徴ですが、性能面で国内メーカーの引けを取らず、モデルによっては国内メーカーより高スペックなモデルも存在します。
プロジェクターメーカーの特徴については、「人気商品を徹底比較!プロジェクターメーカーの比較一覧」で解説していますので参考にしてみてください。
【番外編】プロジェクター方式の違い
プロジェクターといっても、実は映像を映し出す仕組みは3タイプに分けることが出来ます。
- 液晶プロジェクター(3LCD方式)
- DLPプロジェクター
- 反射型液晶プロジェクター(LCOS方式)
これらそれぞれに特徴があり、映像の映り方が異なってきます。
ただし、ここまでくると初心者には理解しずらい内容になってしまうので、プロジェクターを探す上では理解しなくても大丈夫です。
どうしても知りたいという方は、「液晶?DLP?LCOS?プロジェクターの種類を徹底解説【仕組み・メリット・デメリット】」で解説してますので、参考にしてみてください!
会議やプレゼンに使える!ビジネス用プロジェクターの上手な選び方
続いては、会議やプレゼンの際に使用する「ビジネス用プロジェクター」の上手な選び方について解説していきます。
選ぶ際の手順の大まかな流れは、家庭用プロジェクターと変わりありませんが、細かい数値などは異なってきます。
なおビジネス用プロジェクターのおすすめモデルについて知りたい方は「【2019年最新】おすすめビジネス用プロジェクターのランキング」で紹介していますのでそちらも参考してください。
【STEP1】画面の明るさ(ルーメン)を確認しよう
ビジネス用のプロジェクターは、明るい会議室での使用を前提として設計されているため、画面の明るさを示す「ルーメン(lm)」の値が高いものが多くなっています。
一般的なビジネス用プロジェクターでは、「2500ルーメン以上」が基本となっています。これはホームシアター用の1000~2000ルーメンと比べても高いことが分かります。
ルーメンが高い程、会議室が明るくても後ろの方まではっきりと見やすい映像を映すことが可能になっています。
以下に使用する人数や会議室の大きさに適したルーメン数の目安を載せていますので、ビジネス用プロジェクターを購入する際に確認することをおすすめします。
ルーメン(lm) | 使用用途 | 人数目安 |
~2500 | 小会議室 | 5~10人 |
2500~3000 | 中会議室 | 10人~20人 |
3000~5000 | 大会議室 | 20人~50人 |
5000~ | ホール | 50人~ |
【STEP2】解像度と画面比率(アスペクト比)を確認しよう
続いてプロジェクターの「解像度」と「画面比率(アスペクト比)」の確認が必要です。
解像度に関しては、ビジネス用の場合PowerPointや企画書など静止画像を映し出すことが多いため、映画やスポーツを視聴する家庭用プロジェクターほど、高解像を必要としません。
ただし、解像度が著しく低いプロジェクターだと、Excelやグラフなどの細かい文字がつぶれてしまい上手く表示できないケースもあります。そのため、目安としては「1280×800(WXGA)」程度の解像度のプロジェクターをおすすめします。
画面比率(アスペクト比)に関しては、ノートPCのモニターと比率が同じになる「16:10」がベストと言われていますが、「4:3」でも大きな問題が発生することはありません。
名称 | 解像度 | アスペクト比 | |
WUXGA | 1920×1200 | 16:10 | |
SXGA | 1280×1024 | 4:3 | |
WXGA | 1280×800 | 16:10 | |
XGA | 1024×768 | 4:3 |
【STEP3】本体の重量を確認しよう
ビジネス用プロジェクターの場合、必ずしも自社で使用するわけではなく営業先やクライアント先に持ち運んで使用するというケースも多いのではないでしょうか。
また、自社内でも異なる会議室に頻繁に持ち運ぶということもあるでしょう。そんな時には、持ち運びに便利な「小型」「軽量」のプロジェクターを選ぶと良いでしょう。
ビジネス用プロジェクターの平均的な重さは「約3.0kg~5.0kg」程度になっています。この程度の重さであれば、若干重みを感じますが、何とか徒歩で持ち運ぶことが可能になります。
これ以上の重さのプロジェクターは、頻繁に持ち運ぶには適していません。
一方で、あらかじめ持ち運びを前提として設計された「モバイルプロジェクター」と呼ばれるタイプのものも存在します。これらは基本的に本体重量が2.0kg以下で、ビジネスバッグに入れて簡単に持ち運ぶことが可能になっています。
ただし、モバイルプロジェクターと呼ばれるモデルの多くは、画面の明るさ(ルーメン)が低く、大きな会議室や明るい場所での投映はあまり得意としていないことを頭に入れておきましょう。
【最新】モバイルプロジェクターおすすめランキング!小型で持ち運びに最適
【STEP4】プロジェクターへの接続端子を確認しよう
ビジネス用プロジェクターは、「HDMI端子」「VGA端子(RGB端子)」のどちらかで接続を行うのが基本です。
「HDMI端子」は、映像と音声をケーブル1本で送ることが可能、またドライバのインストールも不要なので大変便利です。ビジネス用プロジェクターを購入する際は、「HDMI端子」に対応しているかどうかを確認しましょう。(現在は多くのビジネス用プロジェクターが対応しています。)
またワイヤレスで接続をしたい場合は、「Wi-Fi対応」がなされてているかを確認するようにしましょう。
【STEP5】その他の機能を確認しよう
ビジネス用プロジェクターを選ぶ際には、以下のような点も考慮して選ぶと良いでしょう。
内蔵バッテリー
営業先で万が一「電源が確保できない」なんて事態に陥らないためにも、「内蔵バッテリー」を搭載しているモデルだとより便利に使用することが出来ます。
台形補正機能(歪み補正)
プロジェクターは、スクリーンの正面に設置を行わないと、「画面にゆがみ」が発生してしまいます。
クライアント先や営業先の会議室でプロジェクターを使用する場合、状況によってはスクリーンの正面にプロジェクターを設置できない可能性があります。
そんな時は「台形補正機能(歪み補正)」を搭載しているモデルを選びましょう。モデルによってボタン一つで補正を行ってくれるものや、本体に付属してあるレバーを手動で調節するものもあります。
クイックスタート
最新のモデルの中には、電源を入れてからわずか「5秒」でスクリーンに投影を開始してくれるモデルもあります。
時間がない会議やクライアントを待たせたくない場合は、「クイックスタート機能」を搭載しているモデルを選ぶと良いでしょう。
レーザープロジェクター
頻繁に会議や営業先で使用する場合は、ランプ光源に「レーザー」を使用しているタイプのプロジェクターをおすすめします。
従来のモデルは「水銀ランプ」と呼ばれる光源を使用していますが、寿命は平均で2,000時間程度。1日に5時間程度の使用で、1年間に1度、ランプの交換が必要になってきてしまいます。
一方のレーザープロジェクターは約10倍程度の20,000時間の使用が可能。メンテナンスの費用を考えるとレーザープロジェクターの方がお得になるケースがあります。
レーザープロジェクターとは?メリットやデメリットとおすすめモデルをご紹介【小型モデルも!】
LEDプロジェクター
レーザープロジェクターと同様にLEDプロジェクターも、ランプ寿命が長く、平均して20,000時間程度の使用が可能になっています。
こちらもメンテナンスの費用や手間を考えると非常にお得!プロジェクターの使用頻度が多い場合は、LEDプロジェクターを検討しても良いでしょう。
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