正しい方法!加湿器の効果的な使い方とベストな設置場所
乾燥した室内を快適な湿度にするのに便利な加湿器、しかしどこにおいても効果がるというわけではありません。実は加湿効果を得るためには、効果的な使い方と設置場所があるのです。
加湿器を使ってみえる方はそれを意識して使ってみえるでしょうか?せっかく便利な機械を使っていても正しく使えていなければ宝の持ち腐れです。そこでこちらでは加湿器の効果的な使い方とベストな設置場所についてご紹介していきます。
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加湿器の置き方とベストな設置場所
加湿器の置き場所はどこでもいいだろうと考えていませんか?
加湿器を使う上ではこれはかなり残念な考え方です。設置場所1つで効果を得られるかどうかが大きく変わってきます。置く場所によっては加湿できないこともあるのです。
やはり使うのであれば効果のある場所に置くことが大切です。ここではその設置位置を知っていただこうと思います。おさえるべきポイントは以下の5つです。
- 床から30㎝以上の高さに設置
- 部屋の中央に設置する
- 換気扇や出入り口付近は避ける
- 窓の近くは結露に要注意
- エアコンの吸入口付近に設置する
このポイントをおさえた場所に置くことで効果を最大限得られるようになります。ただこれには1つ大前提があるので気を付けてください。
それはパソコンとの距離です。パソコンは精密機械となるため、非常にデリケートであることは言うまでもありません。そのパソコン内部に結露が出来てしまうと、精密部分である基盤やパーツに不具合を起こしてしまうことがあります。
そのため加湿器から出る水蒸気を直接当てないことが最低条件なので、パソコンからは最低でも30cm以上、理想は1m以上距離をあけておいてください。これを前提としてベストな設置位置の条件を見ていきましょう。
床から30㎝以上の高さに設置
まずは加湿器の水蒸気噴出口を床から30cm以上の高さに設置しましょう。なぜこの高さにしなければならないのか、それは空気の温度に関係します。
温度と湿度には大きな関わりがあることは中学の理科で皆さま学習されたことでしょう。詳しい話はここでは割愛させていただきますが、知っていていただきたいのは温かい空気は上へ、冷たい空気は下へ集まるということです。
冬になると上半身は温かいのに、足元は冷たいなんて経験をしたことがあると思いますが、この現象によるものです。これは温度による空気の密度の問題なのですが、これについてもここでは触れずにおきましょう。とにかく足元は冷たい空気が集まることになるのです。
さて話は水の蒸発についての話に移りましょう。水が蒸発することは皆様ご存知だと思いますが、その水蒸気は目に見えなくなります。しかし常に空気の中には存在しているのです。
この水蒸気、常温でも水蒸気の状態でいることはできるのですが、問題は空気が冷やされることによって密度が上がり、空気の中に溶けていることが出来てない状態になってしまうのです。この空気から追い出された水蒸気が集まり結露が出来るのです。
加湿器を置く場所において蒸気の噴出口が30cm以下の位置にあると、冷えた空気の中に噴出されることになるので水蒸気が空気に溶けることなく、すぐに床などに行き場を求めます。つまり床で結露を生んでしまい、水蒸気が拡散することはないのです。
加湿するためには、まず空気に水蒸気が溶けなければいけません。そうなると空気の温度がある程度高くないといけないため、床から30cm以上離す必要があるのです。
部屋の中央に設置する
満遍なく加湿するためにも部屋の真ん中に置きましょう。これも空気の温度の問題が関係してきます。
加湿器を使う機会の多い冬場は、壁も外気に冷やされ室内温度よりも冷たいことはご存知だと思います。もし加湿器を外壁に面した場所に置いてしまうと、噴出口から出てきた水蒸気を含んだ空気が冷やされ、壁や窓に結露が出来てしまうのです。
どれだけ離しても結露はできてしまいますが、近いかと遠いかでその量は大きく違います。また何よりも、噴出口から出た水蒸気がすぐ結露になってしまうようなら、室内の加湿をすることなるただ結露を増やすだけになってしまいます。
この結露によってカビが発生しやすく、また水分によって建物を傷めてしまう可能性もあります。そのため部屋の真ん中に設置して、温かい空気の中で水蒸気を空気に溶かし全体に拡散することが大切なのです。
窓の近くは結露に要注意
窓の近くは壁以上に厄介です。近年の建物は壁の中に断熱材などが入っているため、冷やされるとは言っても温度差はそこまでありません。しかし窓はそうとも言えず、大きく温度差が出来てしまいます。
最近は断熱構造の窓もできていますが、こちらは壁の断熱材ほど普及はしていません。そのため空気が冷やされやすい場所となります。こうなるとほぼ間違いなく空気に溶けた水蒸気は結露となって溜まってしまうでしょう。
窓の近くは加湿器を置く場所としては特に適さない場所となるので、結露の発生の意味でも注意してください。
換気扇や出入り口付近は避ける
この位置に置いてはいけないことはなんとなく分かっていただけると思いますが、換気扇や出入り口付近は空気の出入りが激しくなります。せっかく水蒸気を空気に溶かしても、その空気が部屋から出て行ってしまっては元も子もありません。
水蒸気を含んだ空気を部屋全体に行き渡らせるためにも、この付近は避けておくことをおすすめします。
エアコンの吸入口付近に設置する
エアコンの風はその設計上、吸い込んだ空気を部屋全体に拡散しようとしてくれます。その機構をうまく利用し、水蒸気を含んだ空気を部屋全体に素早く行き渡る様にしてあげるといいです。
それを鑑みるとエアコンの吸入機能を使える場所に設置するといいです。そうなるとエアコンの直下に置くか、大きく離れた位置に置くといいということになります。ただこれまでのことを考えると、エアコンの直下はベストとまでは言えません。
家庭用のエアコンだと壁に設置されていることが多いです。そのためエアコンの直下に置くということは壁の近くに置くことになるので、先ほどの結露ができやすくなるという注意点に触れます。
エアコンは暖房使用時、設定していなければその温かい空気を下へと流れるように吹出口を下に向けます。そのためエアコン直下は普通の壁よりは温かくなっていますが、それでも空気は他より冷やされやすくなってしまいます。
またそうなるとエアコンの暖かい風がダイレクトに加湿器に当たることにもなりかねません。エアコンから出る温風の影響を受けるとセンサーに狂いが生じる可能性があります。これにより加湿能力に影響が出てしまう可能性が出てくるため、エアコンの吸入機能が使える離れた位置に置くのがベストということになります。
加湿器の効果的な使い方
効果的な置き場所が分かったところで、今度は効果的な使い方をご紹介してきます。これからご紹介する使い方を理解していただければ、より効果的に加湿器を利用することができます。特に冬の乾燥対策のためにも、ベストな使い方を理解しておきましょう。
- 加湿器に使用する水の種類
- 夜寝るときは加湿器をOFF
- サーキュレーターで部屋の空気を循環
- 湿度計で部屋の加湿具合を徹底管理
- 石油ストーブやガス暖房なら加湿器は不要
- 加湿器の蒸気に直接当たらない事
このようなポイントをおさえておく必要があります。それでは1つずつ見ていきましょう。
加湿器に使用する水の種類
加湿器の説明書にも記載されていることが多いですが、使用する水は必ず水道水をご利用ください。ご存知の通り、水道水には消毒のためにも微量の塩素などが含まれています。そのため雑菌やカビの胞子が含まれていることはほとんどありません。
時間が経過すると塩素は抜けていってしまいますが、1日程度であれば塩素の効果で雑菌が繁殖することもほとんどありません。それに対して以下のような水は使わないこと様にしてください。
- ミネラルウォーター
- アルカリイオン水
- 浄水器を通した水
- 井戸水
- 40℃以上のお湯
ミネラルウォーターやアルカリイオン水、浄水器を通した水、井戸水などは塩素殺菌されていないものと考えられ、水道水に比べてカビや雑菌が繁殖しやすくなっています。そのため加湿器には向いていない水となるので、水道水が最適となるのです。
また40℃程度のお湯もやめましょう。機械的な問題もありますが、加熱殺菌しているつもりでもこの温度は、種類にもよりますが雑菌にとっては温床となる温度です。また加熱することにより塩素が抜けてしまっている可能性もあるので、かえって殺菌能力がなくなってしまっている可能性もあります。
温度を上げることで加湿能力が上がるわけではありません。このような観点から常温の水道水を使うようにしましょう。
夜寝るときは加湿器をOFF
寝るときにエアコンを切るのであれば加湿器もオフにしましょう。エアコンなどの暖房器具を切ることで部屋全体の空気は徐々に冷やされます。しかし加湿器を付けたままにしてしまうと、溶けきれない水蒸気が様々な場所で結露となり、最悪カビが繁殖しだします。
寝ている時の乾燥が気になるのであれば、タイマーが付いている加湿器で一定時間経ったら消えるようにしましょう。
サーキュレーターで部屋の空気を循環
加湿の為の水蒸気は空気を構成する物質のそのほとんどよりも質量が重くなっています。そのため下に向かいがちです。また上下に動きづらいため、サーキュレーターや扇風機などで空気を循環して、部屋全体に行き渡る様にしましょう。
特にサーキュレーターなどを上に向けて、下に行きがちな水蒸気が上に動くようにしてあげるといいです。
湿度計で部屋の加湿具合を徹底管理
加湿器本体に内蔵されているものもありますが、湿度計で加湿具合を管理することも大切です。加湿の度合いは40~60%が最適と言われています。インフルエンザウイルスの活動抑制も考えると50~60%を目安とするといいでしょう。
これを越えてしまうと結露ができやすくなり、またカビが好む湿度となるためかえって室内環境を害してしまいます。70%以上になるようなら換気をするなどして湿度の調整を行いましょう。
石油ストーブやガス暖房なら加湿器は不要
石油ストーブやガス暖房を使用の場合は加湿器を使用する必要はあまりありません。石油や天然ガスは有機物であり、有機物は炭素と水素を含みます。これが燃えることにより、水素は酸素と結合し、水が発生します。
つまり石油ストーブやガス暖房を使うことで多少なりとも加湿はされているということになります。ただ先ほどの湿度計を使い、適切な湿度になっていない場合は加湿器も併用して調整してみて下さい。
加湿器の蒸気に直接当たらない事
加湿器は卓上で使えるポータブルなものもあります。それも含めてですが、加湿器の蒸気には直接当たらないようにしてください。
水蒸気なのだから害はなく肌の保湿になるとお考えの方もみえるかもしれませんが、風呂上りと同じでふやけるだけです。むしろ肌に水分を与えたことで、肌に元々あった水分も蒸発しやすくなり、かえって肌の乾燥を招きます。体のことを考えて、噴出口は自分に向けないようにしましょう。
日々のお手入れ方法
ここまで効果的な設置場所や使い方をご紹介していきましたが、正しく使うためには日々の手入れも重要です。どれだけ正しく使っていても消耗品である以上汚れてしまい、雑菌などが繁殖しやすくなります。これによって加湿器病なるものに感染することもあります。
そこで毎日以下の2点には気を配って使ってください。
- タンクの水は毎日変える
- トレーの水はこまめに捨てる
この2つを日々行うことで加湿器病の危険性は大きく低下します。また定期的に清掃するようにも心がけてください。その期間や方法は別のページに記載していますので、そちらを参考に行っていただくと、安全に長期間使用することができます。