加湿器とは?種類やアロマディフューザーとの違い
冬など乾燥している時に部屋の湿度を調整するために使われるのが加湿器です。喉や肌の乾燥を防ぎ、風邪やインフルエンザの感染を予防する効果などがあります。
この加湿器、近年では様々な機能を加え便利になっていますが、そもそもこの加湿器についてどれだけのことをご存知でしょうか?この製品について知ることで、その機能を十分に活かすこともできます。
そこでこちらでは加湿器の種類やアロマディフューザーとの違いなど基礎的な知識からご紹介してきます。
スポンサーリンク
そもそも加湿器とは?
そもそも加湿器とは何なのでしょうか?
これは室内気の加湿の為に使う空気調和設備です。空気が乾燥する冬などによく使われます。機器内部に収容されている水分を空気中に放出し、加湿をします。基本的にはこのような機能を持つ物を加湿器と呼びます。
そのためストーブにやかんを置くといった構成も加湿器の一種と言えます。また寒い時など湿度が上昇することによって同じ室温でも体感的に温かく感じるという利点もあります。
また近年では加湿器に除湿機能を併せ持ったものも販売されています。これは加湿器ではなく、湿度調和機と呼びます。さらに高性能になると冷暖房機能まで併せ持っている場合にはエアーコンディショナーに分類されます。
名称・表記の違い
加湿器は英語でWarm Mist Humidifierと呼ばれます。またHumidifierだけでも加湿器として通じます。
基本的には「加湿器」が表記として一般的ですが、日本のメーカー間では表記に揺れがあり、パナソニック・エコシステムズ、シャープ、三菱電機では「加湿機」と表記しています。
加湿器の必要性
さて、こんな加湿器は何のために使うのでしょうか。その使用用途が分からないという方もみえるようです。
先述しましたが、簡単に言ってしまえば室内の加湿の為に使います。ただこれだけだと特に必要性を感じないという方もみえると思います。しかし目に見えないところで、その効果を発揮しています。
後述しますが、加湿器にはいくつか種類があります。その種類によって加湿の仕方も違い、効果も変わってきます。しかしどんな方法であれ、加湿器の存在理由は変わりません。それは乾燥による様々な影響から体を守ることにあります。
まず乾燥すると肌も乾燥します。それにより肌のひび割れや、女性だと化粧のりが悪くなります。また粘膜に疾患がある場合は、疾患がひどくなることがあります。
喉粘膜に至っては疾患が無くても低湿度により腫れ、細網運動が弱ります。ここへ風邪の細菌やインフルエンザウイルスが付着すれば、罹病します。
加湿をすることによって、このような脅威から体を守ってくれます。特にインフルエンザウイルスは一般的に50%以上の高湿度では繁殖できないと言われているので、特定の効果は高いと言えます。
ただし先述したように、加湿方法によってその効果の高さやメリット・デメリットは変わってきます。つまり、この加湿方法をしっかりと知っておくことも大事なのです。
家庭用加湿器の種類
家庭用の加湿器には大きく分けて4つにわかります。
- スチーム式
- 超音波式
- 気化式(ヒーターレスファン式)
- ハイブリッド式
名前からも分かるように加湿方法がそれぞれ違い、機能的な面でもメリット・デメリットに大きな違いがあります。それでは早速1つずつ見ていきましょう。
スチーム式の加湿器
現在の価格はコチラ |
加湿器の中では最も一般的な加湿器です。先ほど英名の説明もしましたが、特に「Vaporizer」や「Steam Humidifier」を指すWarm Mist Humidifierは、一般的にこのスチーム式を表します。ただ名称で1つ注意なのはVaporizerだと電子タバコの意味で受け取られる可能性もあります。
スチーム式加湿器は水をヒーターで熱し、蒸気を利用して加湿する方式となっています。制御が簡単であり、加湿の効率が良いのが特徴です。
メリットとしては、水を加熱するので、水中の殺菌効果が期待できます。また加湿効率がいいことから、湿度を上げやすくインフルエンザの繁殖も防ぎやすいです。
デメリットもあります。スケール付着対策に別途純粋装置が必要なのと、消費電力が大きいです。さらに加湿効率が良すぎるのは、室内湿度を上げすぎてしまう原因となり、特に気温の低い冬場には壁や窓に結露が付きやすくなります。
超音波式の加湿器
現在の価格はコチラ |
超音波式は英語で「Ultrasonic Humidifier」と呼ばれます。超音波を利用して常温の水を霧化させ、送風機で拡散させる方式になります。
超音波を使用するため、消費電力が少ないのが特徴となっています。しかしデメリットとして水中に含まれる不純物が空気中に飛散します。これを白紛現象といいます。さらに加熱をしないため、水中に菌が繁殖していた場合、空気中に飛散する危険性もあります。
気化式(ヒーターレスファン式)の加湿器
現在の価格はコチラ |
気化式は、英語では「Impeller Humidifier」と呼ばれますが、スチーム式の差別化の為に「Cool Mist Humidifier」と呼ばれることもあります。
加湿エレメント上に滴下した水に風を当て、蒸発気化させることで加湿します。消費電力が少ないのが特徴となっており、過加湿による結露が発生しないのがメリットです。
加湿エレメントを使用するため、この上に不純物が堆積したり雑菌が繁殖し、空気中に飛散する可能性があります。
水の蒸発
良く勘違いされがちですが、水の蒸発は常温でも起こります。100℃に熱しなければ蒸発しないと答えられる方もみえますが、これは間違いです。
水は常に空気との接触面から蒸発します。雨が降ってから2、3日で水たまりがなくなるのはこのせいです。土の地面であれば吸水された可能性もありますが、アスファルトの場合はそのほとんどが蒸発によって空気中に消えていきます。
やかんに水を入れて加熱した場合も、100℃に達する前から白い湯気が出始めるはずです。つまり100℃以下でも蒸発は起こっていることになります。良く勘違いされているのは、100℃で起こるのは蒸発ではなく沸騰である、ということです。
沸騰しだした水は、空気や金属との接触面以外でも蒸発しだすのです。この気化式の加湿エレメントの上で風を当てていますが、これにより蒸発した水を室内気へと送り出しているわけです。
ハイブリッド式の加湿器
現在の価格はコチラ |
ハイブリッド式は英語で「Cool & Warm Mist Humidifier」、さらに超音波式と組み合わされたものは「Ultrasonic Cool & Warm Mist Humidifier」とも呼ばれます。
Cool & Warm Mist Humidifierと呼ばれるハイブリッド式が一般的で、気化式とスチーム式が組み合わさったものになります。基本的には気化式ですが、湿度が低下した時には機能を切り替える機能があります。
これは加湿フィルターに水を含ませ、温風を当てることで加湿します。気化式とスチーム式の両方の機能を併せ持っているので、比較的速やかに加湿ができまるのが特徴です。
機能が複雑なため機器本体の価格がやや高めとなっており、大容量の加湿を求める場合にはより高価になってしまうデメリットがあります。
アロマ加湿器について
さて加湿方式が4種類分かっていただけたところで、さらに機能を追加したものも存在します。それがアロマ加湿器になります。
特に女性の方はアロマテラピーに興味を持つ方も多いと思いますが、そこに着目して製造販売されている製品になります。単純に考えてアロマ機能付きの加湿器であることが名前から分かると思います。
しかし、これはアロマ加湿器は加湿器が主体の機能を持っており、アロマ機能はおまけ程度の効果しかありません。そのためアロマ機能はあくまで副機能として考える必要があります。
人は抱き合わせというものを好みます。アロマテラピーと加湿器の2つの機能が付いていると謳われればお得感が出て、アロマも加湿もしたいという方は間違いなく飛び込むでしょう。ただどっちつかずの性能になってしまう可能性もあるので、その性能はしっかり確認して購入することをおすすめします。
アロマ加湿器とアロマディフューザーの違い
アロマ加湿器を購入しようと思うと、その中にアロマディフューザーが出てくると思います。説明文だけ見ると何が違うのかいまいち分かりにくい、というところがあると思います。しかし、この2つの製品には大きな違いがあるのです。
その違いによって使用目的も変わってきます。誤って買ってしまい効果を上手く得られないとならないためにも、ここでしっかり違いを知っておきましょう。
アロマ加湿器の定義
現在の価格はコチラ |
アロマ加湿器の定義は先述したように、加湿をメインとしてアロマ機能は付属品であるとする製品になります。そのため加湿目的で使用する製品です。アロマ機能は僅かに香りを感じることは有るものの、香りの拡散を考えたものではないのでアロマテラピーの効果は薄くなっています。
アロマ加湿器の加湿方法は超音波式のものが多いですが、普通の加湿器同様、スチーム式、気化式、ハイブリッド式ももちろんあります。
アロマディフューザーの定義
現在の価格はコチラ |
アロマディフューザーはアロマを部屋に拡散することをメインとした製品になっています。ミストが発生し、そこにアロマが含まれているため拡散されていきますが、その加湿効果はほとんど期待できないものとなっています。
このアロマディヒフューザーは加湿器と同じ超音波式と、加湿器とは違うフィルター式、ランプ、ポット、ドロップ式が存在ます。
アロマ加湿器とアロマディフューザーの比較
つまりこの2つの違いは何をメインとしているか、ということです。アロマ加湿器は「加湿」がメイン、アロマディフューザーはアロマの「拡散」がメインとなっているのです。
そのため製品の見分け方には名前以外にもいくつかポイントがあります。アロマ加湿器は加湿がメインである以上、その加湿可能な面積を表記しなければいけません。それが適応床面積になります。この表示があるものは加湿器、ひいてはアロマ加湿器となるのです。
アロマディフューザーはアロマの拡散が目的なので、この面積の表記がありません。あくまで香りを拡散させられるかどうかにかかっているためです。そのため拡散用に水を気化するので、製品に多少の違いはありますが、水を入れるタンクの容量は100ml程度となっています。
それに対し、アロマ加湿器は加湿の為に大量の水が必要となるため、3~6L程度の物まで様々となっています。このタンクの容量の違いも見分けるポイントとなります。
この2つの製品の比較となると難しいところですが、アロマテラピー主体であるのであればアロマディフューザーを購入するべきでしょう。冬場、加湿をするついで程度にアロマの効果も得たいということであればアロマ加湿器となります。
1つ比較的なことを言えば、アロマディフューザーは加湿をしないので年中使えるのに対し、アロマ加湿器は高温多湿となる日本の夏には使用がはばかられるという点でしょうか。
いずれにしても、加湿器アロマディフューザーなんて訳のわからない名称の商品もあるので購入の際には上記のポイントも精査した上で、目的に合ったものを手に取ってください。