銅フライパンの魅力やメリット&デメリット
銅フライパンは古くから世界中のレストランなどで使用されてきた高級フライパンです。
銅フライパンのメリットがしっかりと一般に認知されていないこともあり、チタンやセラミック製の新製品に目が行きがちなのも現状です。
ここでは、銅製品の知られざる特徴から、銅フライパンの魅力やメリットとデメリット、選び方のポイント、そしておすすめの銅フライパンについてご紹介します。
スポンサーリンク
銅フライパンの特徴
日本において銅フライパンを使用している家庭はあまり多くありません。
フライパンの多くは、アルミなどの素材に流行のチタンやセラミックといった加工を施しているものばかりです。
しかし銅フライパンは、不要なコーティングがされておらず、「高い熱伝導率」と「抗菌効果」という料理に最適な特徴を持っています。そのためプロの料理人たちがこぞって愛用するフライパンなのです。
銅素材について
銅素材は工業的にも非常に加工しやすい素材です。
加工のしやすさとは、例えば展性(加圧による変形)や延性(伸長による変形)が他の金属よりも高いという点や、熱伝導率に優れている、錆びにくいなどの要素が挙げられます。
特に熱伝導性に優れており錆びにくいというポイントについては、調理器具としても使い勝手がよく、銅製品は古くから世界中で愛されています。
最近では、水にごく少量の銅を加えることによって高い抗菌作用が示されることも明らかとなっており、銅素材の有用性が様々なところで広がりつつあります。
【関連記事】
▶フライパンに使われる素材の種類と特徴
銅フライパンのメリット
- 熱が早く伝わる
- 錆びにくい
- 手入れが簡単
- 殺菌効果がある
熱が早く伝わる
料理をする上で熱伝導率が高いのは重要なポイントです。
銅は他の金属よりも熱伝導率が優れているため、熱がすばやく、かつ均等に伝わります。熱伝導率の高い銅フライパンでは、火力の強さに応じて食材に伝わる熱量が変化しづらいのです。
つまり、火の強さがほとんどダイレクトで食材に伝わるので、温度調節がしやすいのが特徴です。
鉄フライパンは多くのレストランでも使われており、食材に均等に熱が伝わることで食材にしっかりまんべんなく熱が行き届き、美味しい料理に仕上がるという点が支持されています。
また、熱ムラが少ないことで焦げ付きも起こりにくいことも大きなポイントです。
錆びにくい
銅はイオン化傾向(腐食のしにくさ)が低く、一般的な金属系の調理器具の中でも特に錆びにくいという特徴があります。
長期間使っていて、万が一緑青の錆が生じてしまったとしても、人体への影響は極めて低いことが実証されているため、そのままでも安心して使用できます。
手入れが簡単
銅フライパンは他の金属フライパンと比較しても手入れが簡単です。
例えば、鉄フライパンのようにゴシゴシと磨く必要もなく、柔らかいスポンジで汚れを落とすだけで十分です。
汚れを落とした後は、脂を塗っておくことでさらに銅フライパンの寿命を延ばすことができます。
殺菌効果がある
鉄フライパンなどと同様に、銅フライパンでは調理の過程で銅イオンが若干量溶け出します。
この銅イオンには殺菌効果があることが知られています。
具体的にこれまで実証されているものとしては、「レジオネラ菌」「O-157」「クリプトスポリジウム」などで殺菌効果が認められており、その他の微生物に対しても効果があると期待されています。
また、銅は体内においても鉄分の吸収を助けるなどの作用があり、金属アレルギーの方を除いては、銅フライパンからの銅イオンの溶け出しには多くのメリットがあります。
銅フライパンのデメリット
- 重たい
- 変形しやすい
重たい
銅の重さ(比重)は鉄と同程度で、大きな銅フライパンを片手で振るのは少々疲れてしまいます。
アルミやチタンなどの軽量フライパンと比較すると重さの面では劣りますが、熱を均等に伝えて美味しい料理を作るためには、目をつぶるべきポイントかと思います。
変形しやすい
銅は展性(加圧による変形)や延性(伸長による変形)が他の金属よりも高いため、変形しやすいという特徴があります。
ただし、強くぶつけたり落としたりしなければ基本的に変形することはありません。
留意すべき点は、長期間使っていることにより銅フライパンの中心が盛り上がってくる可能性があるということです。
銅フライパンはどんな料理に向くの?
卵料理など熱に敏感な食材を用いた料理には最適です。
目玉焼き器など四角いフライパンのほとんどに銅が採用されているのはそのためです。
その他にも、火加減の調節が重要な料理には向いていますし、特に煮込み料理などには世界中で愛用されています。
実際に、フランスの厨房では銅フライパンが一般的に使われています。
これは、フランスの寒い地域では、伝統的な煮込み料理の良し悪しが店のランクを決めていたと言われていたことに由来しています。
銅フライパンを選ぶポイント
銅フライパンを扱う上でネックになるのが重さです。
レストランなどで使用される大きさは家庭用としては大きすぎるため、少し小さめで扱いやすい重さのものを選択することが大切です。
【関連記事】
▶失敗しない!上手で賢いフライパンの選び方
銅フライパンのお手入れ方法
銅は酸や塩素などにあまり強くないため、長時間の使用で味や色が変化してしまいます。
調理が終わったあとはなるべく早く食器に移し、銅フライパンを洗う必要があります。
洗う方法は他の食器と同じで、中性洗剤とスポンジで汚れを落とし、すすいだのち水気を拭き取りましょう。
ただし、金属たわしや粒子の荒い食器用クレンザーなどは小さな傷をつくり錆の原因になりますので、使用はおすすめしません。
長期間使用しない場合については、新聞紙などにくるむなどして湿気が付かないように注意しましょう。
【関連記事】
▶フライパンのコゲ落としと素材別の手入れ方法
人気のおすすめ銅フライパン
ここまででご紹介した特徴を踏まえておすすめの銅フライパンをご紹介します。
中村銅器製作所 銅製 玉子焼鍋
現在の価格はコチラ |
製品詳細
- 価格の目安:6,000円~
- Amazon評価(2018/11月):4.1/5点(65人)
- サイズ(cm):ミニ,12角,12長,13長,15角,18角
高級料亭や老舗旅館などで愛用されている中村銅器製作所の「銅製 卵焼き器」です。
ムラがなく均一に火を通すことができるため、焼きムラが発生しないことが特徴です。実際に使用しているユーザーからは「ふわふわの卵焼きを作ることができる」と高い評価を受けています。
オークス amerio フライパン20
現在の価格はコチラ |
製品詳細
- 価格の目安:16,500円~
- Amazon評価(2018/11月):4.6/5点(4人)
- サイズ(cm):20
- 重さ:約522g(錫メッキなし)
- IH調理器:×
金属加工の名産地でもある新潟県の燕三条で作られたオークスの「amerio フライパン20」。
長く使えば使うほど、飴色に変化し、味わい深くなるのが特徴。油馴染みの良い「錫(すず)メッキ有」のタイプと、銅の特徴を最大限に生かした「錫(すず)メッキなし」の2タイプで展開されています。