使い捨て?耳栓の洗い方と再利用する際の注意点
防音や防水など耳の保護に使う耳栓ですが、使い続けるとどうしても汚れてきます。そんな耳栓の洗い方や再利用方法はあるのでしょうか。
高価な耳栓の場合、使い捨ててしまうのはもったいない気がしませんか?そんな方のために、ここでは耳栓の洗い方や再利用の方法などをご紹介していきます。耳栓の扱いの正しい方法を身につけ長く使い続けられるようにすると経済的です。
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耳栓は基本的に使い捨て
そもそも耳栓は様々な素材で作られており、その性質もそれぞれです。防水性の素材のものは洗うことで再利用も可能ですが、そうでないものは基本的に使い捨て耳栓となっており、再利用することは難しいです。
耳栓は清潔に保った状態で使わなければなりません。そのため洗う事ができないものは長期で使用していくとどうしても不衛生になってしまうのです。
しかし、新品の耳栓を装着しようとして落としてしまい、汚れてしまった場合、そのまま捨てるのはあまりにももったいないです。そこで各素材ごとに洗い方をご説明してきますが、あくまで実施される方は自己責任となりますので、ご了承ください。
洗える耳栓と洗えない耳栓
まず洗える物と洗えない物の区別をつけておきましょう。基本的にフランジタイプの耳栓は洗って再利用が可能です。スポンジタイプの耳栓はメーカー側は洗って再利用することはできないとしていますが、しっかりと乾燥させることができれば、再利用できないわけではありません。実際している方もみえます。
ただし全てのスポンジタイプでは無いので注意してください。一覧にすると以下のようになります。
耳栓のタイプ | 素材 | 再利用の可否 |
スポンジタイプ | ウレタン | × |
弾性発泡ポリマー | △ | |
フランジタイプ | エラストマー | ○ |
シリコン | ○ | |
シリコン粘土 | ○ |
弾性発泡ポリマーはメーカーは非推奨ですが、洗えないことはありません。これはこの素材に防水効果があり、プールなどでも使用することができるためです。ただし洗い方を乾燥のさせ方をしっかり行わなければいけません。
ウレタンが洗浄不可能な理由
ウレタンはその素材の性質上、製造しやすいですが劣化もしやすくなっています。だからこそ使い捨ての耳栓になります。なぜ劣化しやすいのかは以下の通りです。
まずウレタンは加水分解劣化という化学反応による劣化が起こります。加水分解とは名称の通り、水を加えることでウレタンを構成する分子に水が反応し、分解生成物が得られる反応を言います。
通常大気中の微量な水分でも徐々にこの反応が起こっているため、ウレタン製の耳栓は少しずつ劣化しているのです。水洗いなどしようものならい一気に劣化を進めてしまいます。
またウレタンはバクテリア劣化により劣化します。これは水洗いは直接関係ありませんが、仮に洗えたとしてもしっかり乾燥させなかった場合、耳栓にはバクテリアやカビ菌が発生することがあります。もともと耳の中に入れて使っているものなので、どれだけ清潔に扱っていても原因菌はついてしまうことがあります。
乾燥がしっかりされていなければ、このような原因菌によりウレタンは劣化していきます。以上、2つの理由からウレタン製の耳栓は水洗いには向いていないと言うことが分かります。
それ以外の素材は水洗い可能とされていますが、もちろん注意点もあります。
耳栓を洗う場合の注意点
耳栓を洗う場合は共通して2つの注意点があります。
1つ目はその使用状況です。工場などの作業現場では非常に汚れやすい環境にあります。そのため汚れがあまりにも酷い場合は、洗わずに新しいものと取り替えた方がいいです。
耳栓は耳穴に入れるとなると清潔に使用することが前提となります。そのため液体石鹸で落ちないほどの汚れであれば、新しいものと取り替えた方が清潔感を保てます。
また石鹸で落ちる汚れの場合は洗って再利用をしていただけるといいですが、バクテリアやカビの発生などを防ぐため、完全に乾いてから使用してください。
スポンジ耳栓の洗い方
先述の通り、スポンジ耳栓は基本的に水洗いできず使い捨てとなります。ただ汚れるたびに買い換えていてはコスト的にも割に合わないところもあります。そう簡単に弾力がなくなることはないので、清潔に使用していれば1ヶ月ほどはしようできますが、それでも耳垢などで汚れることももちろんあります。
そこでスポンジタイプの耳栓の洗い方もご紹介していきます。しかし劣化の可能性もあり、防音性も落ちるものがあります。あくまで自己責任で実施してください。
耳栓を洗う準備
まず以下のものを準備しましょう。
- 水あるいはぬるま湯
- 液体石鹸
液体石鹸はお風呂で使う無添加ボディーソープなどで大丈夫です。殺菌タイプの薬用ソープを使いたいと言う場合は、コラージュフルフル液体石鹸がオススメです。肌が敏感な人でも使えます。
水やぬるま湯はシャワーから出るものを使っていただければ問題ありません。
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耳栓を洗う手順
それでは洗い方を説明してきます。
- 手にソープ液をほんの少し付けて、指の腹で耳栓の表面を押したり、なでたり、こすったりする感じで耳栓についている汚れを落としていきましょう。
- シャワーできれいな水を出して、耳栓をすすぎます。耳栓についている石鹸がなくなるまで続けてください。その間、耳栓を指の腹で押して中の水分を押し出すように繰り返します。
- すすぎ終わったら最後に耳栓をしっかり指の腹で押さえ、水分をできる限り抜きます。
このような手順で行ってください。ポイントは最後の水分抜きです。先程ウレタンは加水分解劣化を起こすことをご紹介しましたが、瞬間的に加水分解されるわけではありません。そこでしっかりと水分を抜くことでそれ以上劣化することを防ぎます。またこの後の乾燥もしやすくなります。
耳栓の乾燥方法
洗い終わったら乾燥させます。場所は室内で乾燥させてください。ウレタンは特にそうですが、光に弱いため長時間日光に当てると素材が劣化します。そのため日陰で乾かしてください。
自然乾燥だと日数がかかります。完全に乾燥させないとどれだけ水分を抜いていても膨張してしまい潰してもすぐに膨らんでしまうため耳に入れることも出来ません。
同じ大きさに戻るまでには自然乾燥で6日程かかります。ウレタンは乾燥しにくい素材であるため乾燥に長い時間がかかります。しかもここまで乾燥させても縮めた状態を維持する力がなくなってしまいます。これも加水分解による性質変化の弊害といえます。
電子レンジを使う方法もありますが、こちらはウレタンと言う性質上発火の可能性があるため、特にオススメしません。あくまで参考としてみてください。
電子レンジを使った耳栓の乾燥方法
電子レンジに入れ500wで
- 1分間の加熱
- 取り出して耳栓を揉む
- 30秒加熱
- 取り出して耳栓を揉む
- 20秒間隔で加熱
- 取り出して揉む
5~6は3~5回程度で繰り返します。耳栓か水気がなくなり、反発が復活してきたあたりで加熱を止めます。そのあとしばたらく放置して水気が余熱とともに一緒に抜けます。
1分以上加熱すると、ウレタンが溶け異臭を放つことがあります。最悪の場合は爆発することもあります。実際加熱中にパンッと破裂音がしたかたもみえたようです。
かなりリスキーなため、念を押しますがリスクを考慮の上、実施する場合は自己責任で行ってください。
フランジ耳栓の洗い方
フランジタイプはもともと洗浄可能なため、洗って再利用できます。水かぬるま湯に少量のマイルドソープを混ぜ、表面の汚れを落としてください。スポンジタイプと違い表面は小さな穴が無いため、汚れは落としやすいです。
マイルドソープが無い場合でも中性洗剤を使用してください。そうでないとゴムなため溶ける可能性があります。
その後水で完全にすすいでタオルかティッシュペーパーで水分を拭き取ってください。衛生上、濡れた状態では雑菌が繁殖する可能性があるため、完全に乾燥させてから使用してください。
フランジタイプはゴム製品となるため、ゴムを溶かすような洗剤は使わないようにしましょう。また無水エタノールというエタノール含有濃度99.5%のもので毛羽立たない布切れなどに染み込ませて、べたついた部分を拭き取るだけでも汚れを取れます。余裕がある方は使ってみてもいいかもしれません。
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耳栓の保管方法
新品の耳先同様、洗って再利用している耳栓もできる限り劣化させないために保管方法もしっかりしておきましょう。
具体的には湿気の少ない直射日光の当たらない場所に保存してください。先述通り、光や水に弱い素材があります。そうでなくても湿度が高いと雑菌が発生する可能性もあります。そのためこのような場所に保存したほうがいいです。
また耳栓は小さい商品のため子供が間違えて飲み込んでしまう可能性もあります。小さい子の手の届かない場所に保管しましょう。