そもそも手帳とは?手帳の必要性やメリットデメリット
ビジネスマンなら必須とも言える手帳。予定やメモなどを取る上でも便利ですし、何よりも持っていないとマナー違反とまで思われてしまうような品物です。しかし、誰もが使っている便利グッズだから使っていると言う人がほとんどで、その本質やメリット、デメリットなどを考えてみえる方はそれほど多くありません。
なぜ手帳は生まれ、その必要性を迫られることとなったのか、あるいは時代の移り変わりにより、ホントに手帳は必要なのか、考えたことはあるでしょうか?ただ何となく使っているだけでは、その機能を如何なく発揮することは出来ません。そこでこちらではそもそも手帳とは何なのか?手帳の必要性やメリットやデメリットについてご紹介していきます。
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そもそも手帳とは?
そもそも手帳とは何なのか、その定義から見ていきましょう。手帳は「手帖」とも表記され、手の中に納まるような小さな記録本や、心覚えを書き入れるための小さな帳面のことを指します。現代における主な使用用途としては、予定管理や行動の記録、メモなどに使用されます。そして特殊なものとしては生徒手帳や警察手帳など身分関係記録や身分証明書を兼ねるものも存在します。
身分証明として使用できるものをお持ちの方はそれほど多くないと思うので、手帳を持っている方のほとんどは予定の管理やメモなどに使われる方がほとんどでしょう。実際に販売されている手帳の多くはそのような用途で使用できるようフォーマットが構築されています。
しかし、人によって予定は変わってきますし、1週間や1ヶ月、1年の予定は様々なので、使いやすい手帳というものも、その人によって変わってきます。つまり大まかな用途としては上記の通りでも、細かい部分での使い方は千差万別となっていると言うことになります。
手帳の種類
そのため世の中には多くの手帳が出回っており、種類も多種多様となっています。その中でも大別すると3種類に分けることができます。製本されオーソドックスな使い方ができる綴じ手帳、バインダーとリフィルをカスタムして使うシステム手帳、既に製本されたノートを複数差し込んで使うモジュール手帳の3種類になります。
どれを選ぶと良いのか、それは人によって違うため、選び方も異なります。詳しい選び方に関しては関連ページを設けていますので、そちらを参考にしてください。
手帳の歴史
それでは手帳はどのような歴史を歩んできたのか、簡単にですが紹介していきましょう。
メモ帳としての機能を持つノートのような存在のものは古くから存在していましたが、現在使われているような記述スペースに日付や行動記録など分割した形式で印字し製品化されたのは、産業革命真っ只中である1812年だったと言われています。
当時としては斬新であり、その手帳としての機能は労働者、特に支配者階級の人にとって便利なものとして認知されました。その後、手帳メーカーと知られるイギリスのレッツ社が世界最古のメーカーとして誕生し、1856年度版の手帳を販売し始めたのが、製造メーカーが販売するそれとしては最も古いものだと言われています。
日本においては1862年に欧州使節団の一向に加わった福沢諭吉によりもたらされたと言われています。フランスのパリで購入した手帳を日本に持ち込んだことにより、後に広まったという説です。それ以外にも1868年に持ち込まれたと言う説もあるため、諸説の1つとなっています。
それまで大蔵省によって作られた「懐中日記」や国によって従業員に貸与していた「軍隊手牒」など、現在の警察手帳や軍事手帳のようなものは製造され所属する団体や共同体から与えられるものでしたが、やがて訪れた不況の煽りを受けて配布を廃止したことにより、手帳は自身で購入するものとなり、この個人用の手帳が広がりを見せ、今の市場に繋がったと言われています。
手帳の必要性
さて、このような経緯で手帳は広がっていきました。しかしただ物珍しくて使用しだしたのではなく、その必要性が認められ、これまで使用してきた方の多くが手帳の利便性を活かしていることや、使いやすい手帳を作り続けるメーカーやブランドがあるからこそ、今の市場は成り立っていると言えます。つまりは手帳は現代においても有用だと言うことです。
しかし、全ての人に1冊ずつ、あるいはそれ以上必要かと言われれば決してそういうわけではありません。買っても使いこなせない方もみえ、そもそも必要性を感じていない方さえみえるので。では手帳を必要とする方、必要としない方はどのような人になるのでしょうか、そちらもご紹介してきましょう。
手帳はこんな人に必要
当然と言えば当然なのですが、予定を管理したい方には必要なものとなります。人の記憶には限界もあり、全ての予定を把握しておくことは困難です。それが自分の予定だけでも難しいのに、会社や他人の予定などを管理する方であれば尚更です。それを記録として残しておく上でも手帳は必須となります。
もちろん実際の予定だけが全てではありません。目標達成に向け計画的に予定を立てたい方にも手帳は使いやすいものとなるでしょう。この先どのような行動を取って行けば目標に達することができるのか、時間や日付による経過において具体的に行動を計画していくには、ビジュアル化されたものが最も効率良く目標達成までのイメージを構築しやすくなります。
そんな時にスケジューリングをすることができ、その反省なども記録できる手帳があれば非常に便利となるのです。
単純にライフログを付けるのにも便利です。日記とまではいかないまでも、その日にあったことを簡単に記録しておくだけでも、後に振り返ることができるのは有難いことです。このようなことを行う方には手帳は必要なツールとなってきます。
手帳はこんな人に不要
手帳が必要ない、というと語弊があるかもしれませんが、現在はデジタルツールが発展してきたことにより、上記のようなこともスマートフォンのアプリやグーグルカレンダーなどで管理が出来るようになりました。それに伴い紙媒体ではなく、デジタル媒体で記録を残す方には手帳は不要と言わざるを得ません。
人によっては手帳を持ち歩くのが荷物になるし面倒という方もみえるので、そのような方には手帳ではなく、いつも持ち歩くスマートフォンや、仕事などで多用されやすいタブレットでの管理の方が1つにまとめられて便利かもしれません。
手帳とスマホ・PCどっちが便利?
それでは手帳とスマートフォン・PC・タブレットではどちらの方が便利でしょうか。上記の必要不必要でも触れていますが、それはその人のライフスタイルや管理を必要とする内容など、その内容によっても変わりますし、手帳を使うことによるメリットやデメリットでも変わってきます。
実際にそれぞれの利便性から手帳を使う方とスマートフォンなどを使う方で二極化してきているのが現状です。人によって便利か不便かというのは感じ方が違うと思いますが、ここで改めで手帳を使うことによる、メリット・デメリットを見ていくことで、どちらが便利なのか、考えてみましょう。
手帳のメリット
- 種類も多く、カスタマイズができるなど自分に最適なものを選びやすい
- 紙面として残すので振り返りやすく、突然消えてしまうなどのリスクが少ない
- ビジネスマナーとして携帯しておけば、商談などどのような場面で使えるツール
- 書き込んだ予定などが記憶に残りやすい
スマートフォンのアプリにも様々なものが出てきているので自分に合ったものを選ぶことができますが、機能としてはもう一歩と言うこともあり、必ずしもデジタルだから確実に自分に合ったものを選べるというわけではありません。
もし自分に使いやすい最適なものを使いたいという場合は、自身でアプリを開発する以外に手はないかもしれません。そのためにはJavaやSwiftなどスマートフォンのOSに合う言語を勉強することから始めなければいけないかもしれません。
それに対して手帳は製本された綴じ手帳はもちろんのこと、自分でリフィルを入れてカスタマイズできるシステム手帳もあります。あるいは決まった罫線が無くてもいいから、書きなぐりたい方にはモジュール手帳を使うこともできるでしょう。要するに、自分だけのオリジナルで使いやすいものを作るにはデジタルよりもアナログの手帳の方が便利だと言うことです。
他にも手帳には自筆によって記録を残すことになります。その記録は後々振り返る上でも紙媒体に残している限り、自分で消さなければいつでも見直すことができます。もちろんそれはデジタル機器でも同じですが、プログラムによって制御されているものは、突然にデータが消失する場合もあります。あるいはバグによって正しく表示されなくなることもあるでしょう。
特にスマートフォンは時期が来れば買い替えてしまうため、内臓データとして保存していた場合は移行できないこともあります。
グーグルカレンダーなど、クラウドデータを用いての管理であれば移行することもできますが、そのようなものを使っていない場合、古いスマートフォンに残していると電池がなくなり電源を入れることがなくなれば、いざ振り返ろうと思っても見れないことも少なくありません。またクラウド上で管理しているものも、ケースとしては稀ですがデータが消失したり、サービスの終了によって見れなくなることも考えられます。
ビジネスマンなどは過去に行った取引などを見直すこともあります。その際に、見れないリスクがあるのはデメリットでしかないのです。もちろんデータ管理の便利さは誰もが認めるところでしょうが、紙面に残すことにより見直しをしやすくなるというメリットもあり、手帳にはデジタルにはない便利さがあると言うことになります。
もうひとつ、これはマナー的な問題とも言えますが、例えば商社マンが取引先での今後の予定を確認する上で、スマートフォンなどを取り出して会話を進めると失礼に当たると思われている方も少なくありません。デジタル機器の発展と時代の移り変わりにより、だいぶ許容されるようにはなってきていますが、それでもビジネスマナーとしては未だデジタル機器の使用しての予定確認などはご法度というところもあるでしょう。
そんな時に、ビジネスマンの必須アイテムとして手帳は持っておかなければいけないツールなのです。場合によっては、お洒落なものやブランドものなどを使っていることで一目置かれる可能性もあります。メリットとしては薄いですが、ビジネスマンとしては十分に気を付けておきたいところです。
その他にも紙に書くことで記憶にも定着しやすいといったメリットもあります。記憶はインプットだけでなくアウトプットすることによって脳の海馬から呼び出しやすくなります。ただこれは個人差があるので、全ての方に共通するメリットとは言いにくいですが、その中の1つとして見ておいていただいてもいいでしょう。
手帳のデメリット
- 火や水に弱く、紛失することもあることから手帳が使えなくなる、または見返せなくなる
- 冊数が増えると管理が大変になる
ただし手帳のデメリットも存在します。先ほどデジタルにおけるリスクをご紹介しましたが、場合によっては紙面である手帳にも適するリスクになります。紙である以上、火や水には弱いのは仕方のないことですが、特に雨などにより手帳が濡れ、中まで浸透してしまうと書き込んだものが滲んで読めなくなる、あるいは消えてしまうと言うことも起こります。
物である以上、紛失してしまう可能性も捨てきれません。どれだけ丁寧に扱っていても、このようなことは確率的に起こりえます。
もちろんスマートフォンなども紛失してしまっては元も子もないので、同様のリスクとなります。しかしクラウドデータ上に残してある方は、紛失しても別の機器で呼び出すことは可能となるので、これはデジタルの便利なところでもあります。またデジタルの場合は、設定さえしておけば事前に予定を知らせてくれるなど、機器としての利便性もあることは確かです。
さらに手帳の場合、1年ごとの更新になることが多いです。2年手帳など複数年使えるものもありますが、多くの場合は1年使用のものを使われることでしょう。つまり使い始めてから年を追うごとに手帳は増えていくことになります。そうなると問題になるのは管理する場所です。
数年分であれば何とでもなりますが、これあ数十年分になると段ボールなどに入れて、物置の奥にでもしまっておくことになり兼ねません。あるいは何年かまとまったら、その都度捨てていく方もみえるでしょう。そうなると折角振り返るのに便利であっても、管理が面倒なのであれば物として存在するものは邪魔にしかなりません。
デジタルの場合はサーバーやスマートフォン本体に記録されているため、物としてそこに存在するものは手頃な機器だけになります。つまり、どれだけ記録しようと物が場所を占拠していくことはないのです。このような点を考えると、スマートフォンやPCの方が便利と言えます