安価な圧力鍋と高価な圧力鍋の違いとは?
圧力鍋は調理器具の中でもトップクラスに価格差が大きい製品です。ホームセンターの特売で売られているような3000円の圧力鍋から10万円を超える海外ブランド製まで多くの種類があります。安い圧力鍋が欲しいけど、どのような違いがあるのか?安全なのか?その疑問についてご説明します。
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安い圧力鍋は危ない?圧力鍋の価格差による違い
「安物買いの銭失い」や「安かろう悪かろう」など日本には安い物=出来の悪い物というイメージが非常に強いです。
では、圧力鍋に関してはどうなのでしょうか?有名ブランドの圧力鍋は数万円から10万円を超えるものまでありますが、安いものはホームセンターで3000円程度で購入することが可能です。
価格差による圧力鍋の違いについてご説明します。
価格差による圧力鍋の機能と安全性
結論から申し上げますと、安い圧力鍋も高い圧力鍋も機能と安全性に関しては大差ありません。
なぜなら、日本では圧力鍋は消費生活用製品安全法の特定製品に指定されており、国が決めた技術基準をメーカー(輸入業者)が保障することが決められているからです。この基準を満たした証明である「PSCマーク」が無い圧力鍋は販売できません。
この安全基準によって、圧力鍋の「安全装置」や「かけられる圧力」の基準が定められていますので、高い圧力鍋だからと言ってもかかる圧力が高かったり、安い圧力鍋だから安全性が低いと言うことはありません。
圧力鍋に価格差があったとしても、同じレシピで同じような調理時間での調理が可能です。では、圧力鍋は価格差による違いはないのでしょうか?
この答えは車に例えると非常にわかりやすいです。高級外車でも軽自動車でも高速道路を同じ時速100キロで走ることが可能であり、目的地までの所要時間も同じです。しかし、ご存知のように両者には乗り心地や快適性、事故の際の安全性、燃費など多くの点で違いがあります。
同様に圧力鍋も価格差によって、細かな点が多数違ってきます。以下で詳しくご説明します。
価格差による耐用年数の違い
もちろん一概には言えませんが、高価な圧力鍋は安い圧力鍋よりも長く使えることが多いです。その価格差の分だけ設計や製造、材質にお金をかけられるということです。
また、高価な圧力鍋は有名ブランド製であることがほとんどです。有名ブランドは自社のブランドイメージを損なうことを最も嫌いますので、不良品や粗悪品の確率が無名ブランドよりも著しく低いです。
このことはメーカー保証に表れています。安い圧力鍋のメーカー保証は1年であることが多いのですが、高価なブランドの圧力鍋はメーカー保証が5年や10年のものが多く、非常に長きにわたって保証が続きます。
それだけ耐用年数に違いが出るのです。同じ圧力鍋を長く使いたい人は高い圧力鍋をおすすめします。
また、有名ブランド製の高価な圧力鍋は消耗品である「パッキン」などの部品の調達が簡単な点もメリットです。安い圧力鍋は消耗品の入手が非常に困難であり、入手できずに圧力鍋を買い替えることもしばしばです。
この消耗品の交換を怠ることは事故に繋がりますので、誰しもが必要な点です。この点も圧力鍋の価格差による違いです。
また、安い圧力鍋の多くは中国製などの外国製であり、人件費の安い国で大量生産した製品がほとんどです。やはり国内製造の圧力鍋と比較すると作りが甘かったり、不良品率が高いなどのリスクはあります。
価格による材質の違い
ブランドやメーカーによる違い程の価格差はありませんが、圧力鍋に使われる材質によっても価格差が生じます。
圧力鍋に使われる材質として一般的なものは「アルミ製」「ステンレス製」「多層式(アルミ+ステンレス)」です。
この中で最も安いのはアルミ製の圧力鍋です。アルミ製の圧力鍋は最も軽量で使い勝手の良さが魅力ですが、酸性にもアルカリ性にも弱く鍋の黒ずみなど汚れやすい点がデメリットです。
次に安いのがステンレス製の圧力鍋です。ステンレス製の圧力鍋は熱伝導率が低く、加熱に時間はかかるものの、その後冷めにくい特徴を利用した煮込み料理に向いている圧力鍋です。
鍋自体の重さが重い点がデメリットですが、汚れに強く外見の美しさが特徴の圧力鍋です。
最も高いのが多層式の圧力鍋です。アルミとステンレスを合わせて作った圧力鍋であり、両者の特徴を併せ持つ点が特徴です。
ステンレスの熱伝導の悪さをアルミが補い、アルミの焦げやすさをステンレスが補うなど、両者の良いとこどりをした圧力鍋です。万能な優等生タイプの圧力鍋であり、使い勝手が最も良い点が魅力です。