怖い?圧力鍋の事故の危険性について
圧力鍋は調理時間の短縮やガス代の節約など主婦にとって非常に便利な調理器具です。しかし、便利な一方で通常の鍋よりも事故のリスクが高い調理器具でもあります。そこで過去の圧力鍋の事故から覚えておいてほしい教訓をご紹介します。
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圧力鍋の事故について
圧力鍋は調理時間の短縮やガス代の節約など便利な調理器具ですが、一方で使い方を誤ると非常に危険な面もあります。 そこで過去に起きた圧力鍋の事故を教訓にするために、事例をご紹介します。
圧力鍋の蓋が飛んで大やけど
2008年11月に南関東在住の女性が圧力鍋での調理中に、圧力鍋の蓋が飛んで顔に全治1か月以上の大やけどを負うという事故が発生しました。
事故の概要は、圧力鍋にシチューの材料を入れて火にかけて調理をした。数分後に火を止めてしばらく後に蓋を開けようとしたが開かなかったので、流しに圧力鍋を移動させて上から流水をかけた。すると大きな音と共に鍋の蓋が飛んで中身のシチューが飛散してやけどを負ったということです。
この圧力鍋の説明書には、自然冷却の他にも流水をかけて「急冷」させて蓋を開ける方法も記載されていました。つまりこの女性は使い方を誤ったわけではありませんでした。
事故の主原因は、構造上の欠陥ということになります。蓋をロックするピンやレバーに問題があったので内部の圧力が分かりにくく、圧力が高い状態で蓋を開けると蓋が外れるという危険性があったと言うことです。
ただ、圧力鍋での使用が禁止されていることが多いルウを入れて加圧したことも大きな原因となっていますので、注意が必要です。
圧力鍋の事故データ
圧力鍋による事故は1996年から2008年までに日本で64件発生しています。事故の詳しいデータをご紹介します。
事故の原因
事故の原因としては、使用不備が約半数を占めています。使用不備とは「蓋をしっかりと締めていなかった」「ノズルの掃除不備」「禁止されている物(豆・ルウ等)を入れた」などです。
また、製品不備も事故原因の約1/3を占めているのも特徴です。製品不備とは「安全装置が使えなくても加圧が出来た」「製造上の不備」「ネジが緩みやすい設計」などです。
鍋の中身
豆類が全体の1/4を占めています。豆類を圧力鍋で調理すると豆の皮がノズルを塞いでしまい、異常な圧力が発生して事故のリスクが高まります。
またカレーやシチューのルウなどの粘度が高いものもノズルを塞ぐ原因となりますので注意が必要です。
事故のタイミング
事故の8割以上が加熱中に起きており、圧力をかけている時が最も危険です。他にも冷却中や鍋の移動中にも事故は発生していますが、加熱中のリスクが最も高いです。
圧力鍋の基準改正と安全な使い方
過去の事故例やデータから圧力鍋の安全基準が2010年に更新されました。
圧力鍋は消費生活用製品安全法の特定製品に指定されており、日本国内で販売されている圧力鍋は厳しい基準が課されています。
その内容と、安全の為に守ってほしい圧力鍋の使い方についてご説明します。
消費生活用製品安全法の特定製品に指定
日本国内で販売背れている圧力鍋は、2000年から消費生活用製品安全法の特定製品に指定されており、国が決めた技術基準をメーカー(輸入業者)が保障することが決められているので、PSCマークが無い圧力鍋は販売できません。
しかし、それでも圧力鍋の事故が多数報告されている現状を鑑み、2010年からさらに厳しい安全基準が定められています。
この新基準は、圧力鍋の本体と蓋が完全に閉まっていない状態では、加熱しても5キロパスカル以上の圧力がかからないように定められています。また、一定の圧力がかかった状態では蓋が開かないようにすることも定められています。
現在流通している圧力鍋はこの基準を満たしたものであり、減圧装置などの安全機能が付いた圧力鍋であり、以前よりも安全性が向上しています。
圧力鍋を安全に使用する為に
安全性が向上したと言っても、使い方を誤った使用上の不備が原因の事故は防ぎきれるとは言い切れません。
そこで圧力鍋での事故を未然に防ぐために、必ず守っていただきたいポイントをまとめましたのでご確認ください。
- 説明書に記載されている物を調理しない(一定量以上の豆、ルウなどの粘度の高いもの)
- 連続して使用する場合は、都度掃除を行う。
- ネジのゆるみなどの不備がないか日常的に点検する。
- 普段よりも長く加熱しても蒸気が出ないときは、火を止めて様子を見る。
- 異常に気付いてもすぐに蓋を開けず、冷めるまで待つ。
- ノズルの掃除は必ず行う。
- 製品にリコールが無いか確認する。
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