哺乳瓶虫歯はなぜ出来る?原因や予防方法と治療について
哺乳瓶虫歯という言葉を聞いたことがあるでしょうか。一見すると「哺乳瓶を使うとなる虫歯」と思ってしまいがちですが、実際は少しだけ違います。
ここでは哺乳瓶虫歯の本当の意味や、なってしまう原因、予防法や知っておきたい治療法の話まで解説していくので、哺乳瓶でミルクをあげているママは頭の片隅にでも入れておきましょう。
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哺乳瓶虫歯(哺乳瓶う蝕)とは?
哺乳瓶虫歯は別名で哺乳瓶う蝕、ボトルカリエス(ボトル=哺乳瓶、カリエス=虫歯)とも言われ、哺乳瓶を使ってミルクを飲んでいる子どもに多く見られます。
上前歯付近の6本が虫歯になるので、見た目だけでも「哺乳瓶虫歯かな」と判断しやすいかと思います。この哺乳瓶虫歯は歯全体を溶かしたり、歯の裏側の神経に近い部分に広がっていくため、比較的ひどい虫歯になってしまいがちです。
母乳やストローマグでも哺乳瓶虫歯になる?
この後紹介する哺乳瓶虫歯の原因とも照らし合わせてほしいのですが、母乳で寝かしつけをしたり、長時間くわえている場合は同じく哺乳瓶虫歯になります。つまり、哺乳瓶が原因というわけではなく、この時期の赤ちゃんの行動(長時間の授乳)が原因なのです。
ストローマグでは中身や飲ませ方によりますが、哺乳瓶と同じようにしてミルクや母乳、甘い飲み物を長時間あげていれば哺乳瓶虫歯になる可能性は十分にあるでしょう。
なぜ?哺乳瓶虫歯の原因と予防方法
それではここから哺乳瓶虫歯の原因と予防法を見ていきましょう。まず原因としては以下のようなものが挙げられます。
- 哺乳瓶は口にミルクが溜まってる時間が長い
- その分、ミルクや糖分が歯に触れている時間も長い
- 哺乳瓶をくわえたまま長時間過ごすことが多い
- 寝かしつけに哺乳瓶でミルクをあげている
- 哺乳瓶でスポーツドリンクや乳酸飲料などをあげている
基本的には「長時間くわえたまま」「そのまま寝てしまう」というのがメインの原因になってきます。ここからは予防法について見ていきましょう。
1歳~1歳半には哺乳瓶を卒業する
個人差もありますが、1歳を過ぎてくれば離乳食も進み、必要な栄養素は食事から摂れるようになっています。ストローマグやコップ飲みの練習を早くから始め、哺乳瓶を使わなくても飲み物を飲めるようにしてあげましょう。
寝る前には歯を磨く(拭く)
虫歯は唾液の少なくなる睡眠中に進行していきます。その時、ミルクの糖分や食べ物のカスがあると虫歯菌が活発になってしまうのでしっかり歯を磨いてあげましょう。まだ歯ブラシを拒否するようであれば布で拭いてあげるだけでも少しは良いですね。
寝かしつけに使う際は白湯や麦茶にする
寝る前に歯を磨いたら、そこからはできるだけ糖分を控えます。白湯や麦茶なら歯に当たっていても虫歯にならないのでひとまず安心です。
スポーツ飲料のようなものは普段から与えすぎない
スポーツ飲料は糖分を多く含むので、哺乳瓶で与えるのは好ましくありません。そもそも常用的に飲ませなくて良い飲み物なので、発熱したときに飲ませる程度にしましょう。
哺乳瓶虫歯でパパママが注意すべきポイント
乳歯の虫歯は永久歯の虫歯と少し違います。原因や予防も大切ですが、乳歯の虫歯についてもある程度知っておくと意識が変わるので、乳歯の虫歯について簡単に解説していきますね。
乳歯の虫歯は黒じゃなくて白い
まずパパママに知っておいてほしいのは「乳歯の虫歯は黒だけじゃない」という点です。つまり、子どもの歯を見て黒くないから虫歯じゃないと判断するのは危険ということです。しかも白っぽい虫歯は進行が早いので、気付くのが遅れるとあっという間に広がっていってしまうのです。
乳歯は痛みが出にくく気づきにくい
子どもは歯の感覚がまだ鈍いので、初期の歯の痛みに気付きにくいようです。ということは子どもが痛がり出したらかなり進行してしまっている可能性があります。そうなる前に歯磨き時などにチェックして気付いてあげることが大切です。
乳歯は食事の変化で虫歯の進行が早まる
子どもの食事はあっという間に変化していきますね。ミルク→離乳食→お菓子、と変化するにつれて甘いものが増えていく傾向にあり、虫歯が歯を溶かすスピードが上がっていってしまいます。
乳歯のエナメル質は永久歯の半分しかない
歯は何層かで構築されていますが、一番表面の固い部分をエナメル質と言います。このエナメル質が歯の健康を守るうえで重要なのですが、そもそも乳歯には永久歯の半分しかエナメル質がありません。
そのため、永久歯よりも虫歯が神経に達しやすく、虫歯が重症化しやすいです。乳歯の虫歯で神経まで達してしまうと、その後の永久歯との生え替わりや、永久歯の状態にも悪影響を与えてしまう可能性があります。
哺乳瓶虫歯の治療方法
哺乳瓶虫歯の治療は、程度によって治療法が異なりますが、年齢が低すぎると治療に恐怖を覚えてちゃんとした治療がおこなえない場合もあります。そんな時には濃度の濃いフッ素を塗って虫歯の進行を止めるなどして様子を見てくれます。
もし、虫歯が広範囲に重症だった場合は全身麻酔をして治療をするという方法もありますが、歯医者さんも無理矢理治療するわけではないので、まずは相談することが重要でしょう。
ここからは、虫歯の状態に合わせた治療方法について紹介していきます。
初期虫歯(C1)の治療
乳歯の初期虫歯は白く濁っていることが多いです。この状態であればフッ素を塗って歯を強くすることによって虫歯を改善していきます。子どももママも歯医者さんもこの段階で治療してあげるのが一番楽ですね。
小さい虫歯(C2)の治療
エナメル質、象牙質が浸食されて穴が空いています。大人なら冷たいものや風が染みてくる頃でしょう。こうなってしまったら歯を削ってプラスチックのような詰め物を詰めます。
神経まで広がった虫歯(C3)の治療
歯は大きく溶け、神経まで虫歯が広がり、膿んでしまっていることもあります。こうなると神経を取ったり抜歯をする可能性が高くなります。
根っこだけになった虫歯(C3)の治療
歯は根っこだけになってしまった状態です。ここまで放っておくことはあまりないと思いますが、神経が腐敗、膿袋ができるなど、重症化しています。根の状態によってはできるだけ根を残しますが、無理な場合は永久歯のために隙間を開けておかなければいけないので保隙装置というのを入れる処置がおこなわれます。他の段階に比べて困難な治療となります。
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