ボールペンの軸について
多種多様なメーカーや種類があるボールペンですが、書き味や書きやすさは、精密加工が必要な先端部分が担っています。
その先端部分は、様々な特徴をもった素材で作られているのと同様に、持ち易さや書き易さを左右する「軸」にも様々な素材が使用されています。
ここではそんなボールペンの軸の特徴について紹介していきます。
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ボールペンの軸とは?
ボールペンの大部分を占める「軸」。見た目の印象はもちろん持ち易さや書き心地にも大きな影響を与えます。
ボールペンは万年筆と異なり紙に対して60度~90度の直角に近い角度で筆記することが求められます。
それは、ボールペンの先端部分にあるボールがチップによって支えられているため、正しい位置と角度で筆記しなければ、チップの台座部分が壊れやすいためです。それゆえ、「軸」が大切なのです。
軸の大きさや太さ、材質はボールペン選びで非常に重要なポイントです。以下に材質毎の特徴を記載しますので、参考にしてみてください。
合成樹脂で作られた軸の特徴
簡易的なボールペンを中心に圧倒的な使用率を誇るボールペン軸の素材が合成樹脂です。
合成樹脂とはつまりプラスチックの事ですが、軽量性や剛性といった使用面の性能だけでなく、加工のし易さや、抗菌の物等、様々なアイデアを形にし易い為、高級ボールペンにも使用されます。
金属で作られた軸の特徴
高級ボールペンに使用されることが多いのが、金属製の軸です。
使われる金属によっても違いはありますが、本体を小型化出来るメリットがあり、煌びやかな印象と、ズッシリとした重量感、高級感を演出できます。
木材で作られた軸の特徴
あまりメジャーな材質ではありませんが、一部のボールペンに使用されている木材製の軸。
木材性の軸の特徴としては、軽さがあげられ、さらには温かみのある、しなやかな印象が得られます。
しかし、材質としては均一ではなく、個体差が生じやすいため、木材性の軸が使用されたボールペンはほとんど作られていません。
セルロイドで作られた軸の特徴
セルロイドとは、象牙の代用品として誕生した硝酸セルロースのことで、万年筆によく使用されていた素材です。
合成樹脂の普及とともに姿を消しましたが、昔ながらの味わいや艶やかさから愛されており、現在でも一部でこよなく愛されている材質の一つです。
しかし、加工に高い技術と手間が必要なため流通量は非常に少ないと言えますが、独特の持ち心地と艶やかな印象が特徴的です。
エボナイトで作られた軸の特徴
エボナイトとは、ゴムの一形態であり、硬く光沢を持ったゴムのことで、見た目や質感は非常に似ていますが、似て非なるものです。
セルロイド同様、合成樹脂の普及とともに姿を消しましたが、漆黒の美しい光沢が愛されています。
しかし、こちらもセルロイド同様に、加工に高い技術と手間が必要なため流通量は非常に少なくなっていますが、手に吸い付くような持ち心地と、艶やかな印象が特徴的です。
紙で作られた軸の特徴
ダンボールの材料にも使用されるクラフト紙の厚紙で作られた紙管で作られた軸です。
耐久性や美しさを重視したものではない為、高級ボールペンで使用されることはありませんが、企業のプロモーション用に作成されるボールペンによく使用されています。
それは、ロゴが印刷しやすく、印刷面も広く取れるためであり、さらにはリサイクルが容易である点も特徴的です。
軸の素材の違いによるボールペンの書き味
ボールペンの軸によって直接的には書き味に影響を与えにくいと言えます。
しかし、長く付き合うボールペンであればあるほど手に持つ部分である軸は非常に大きな意味を持ちます。
材質による質感やグリップ力、材質によって異なる太さも持ちやすさという点では重要です。
また、前述した通り、直角に近い角度で筆記をしなければならないボールペンは、正しい持ち方をした際の持ち心地と書きやすさをチェックしなければなりません。
また、書き味とは関係ありませんが、長く使用するという観点では見た目の美しさや印象も重要ですので、見た目にも気に入った軸を選んで頂ければと思います。