水性ボールペンのインクの特徴
油性ボールペンに比べると、その開発が遅かった水性ボールペン。水性ボールペンはその性質から強い筆圧は必要なく使いやすいとされています。
ここでは、そんな水性ボールペンの特徴やメリット、デメリットについて紹介します。
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水性インクのメリット
水性インクのボールペンが日本で最初に登場したのは1964年です。「オート」というメーカーが開発したのが始まりとなっていて、1972年発売の「ぺんてる」という商品が日本に水性ボールペンを広く普及させたと言ってもよいでしょう。
それまでは油性ボールペン一辺倒だったボールペンの業界に参入した水性ボールペンは、今までの油性ボールペンとは全く違った書き味を消費者に提供しました。
さらさらとした書き心地で、今までよりも明らかに弱い筆圧でも書けるボールペンは、どんな人が書いてもはっきりとした線を表現することを可能としました。
水性ボールペンの名の通り、溶剤は水を使っているため発色がよく、様々な色をつくることができるためカラーバリエーションが豊富な点は水性ボールペンインクの大きなメリットの一つです。
従来の油性のボールペンでは味わえなかった軽い書き味は、長時間使用していると書き疲れてしまう人や、紙とのひっかかりを気にする方にとって、水性ボールペンというのは素晴らしい商品となりました。
水性インクのデメリット
水性インクのボールペンの最大のデメリットは、溶剤に水を使用していることによる滲みやすさでしょう。
特に書いた直後に紙に触ってしまえば、手や腕にもつきやすく汚れやすいので、書きながら汚さないような配慮が必要となってきます。
せっかくなめらかな書き心地を実現したにも関わらず、書く時に余計な気を使わなくてはいけないというのは大きなデメリットの一つでしょう。
水滴などにも弱いので、水分や汗を垂らしてしまった場合には確実に滲んでしまいます。
また水を使っているものなので非常に乾きやすくこまめにキャップをしめるなどの乾燥対策をしないとすぐにインクが乾いて書けなくなります。
お茶を飲みながら水性ボールペンで書きものをしていたらお茶を垂らしてしまった。
そんな時、水性ボールペンをそのままにあわてて拭いていたら紙は汚れて滲んでしまい、キャップを閉め忘れて水性ボールペンは乾いてしまう。
そんなダブルパンチを食らってしまった方も少なくないのではないでしょうか。
染料インクの水性ボールペンの特徴
水性ボールペンのインクを作る際のレシピは大きく分けて二つ存在します。溶剤は水で変わりませんが、着色材に違いがあります。それが、染料と顔料です。
染料というのは分子の大きさが小さく水に溶けた状態で繊維などに色をつけます。つまり、溶剤となる水に対して完全に溶け切っている状態となります。
例えば紙に染料インクの水性ボールペンを使って書いた場合、インクは水に溶けているので紙に染み込むことによって色をつけることになるのです。
特徴としては水に完全に溶けることによって、発色がしやすく鮮やかだということ。そのため様々な色を作りやすく種類の豊富なカラーバリエーションを展開できるということになります。
欠点として挙げられるのは、「乾きにくい」という点です。紙に染み込んでからも、紙はまだ濡れている状態となるので、その状態で手や衣服などが触れると汚れてしまいます。
これらが染料インクによる水性ボールペンの特徴と言えるでしょう。
顔料インクの水性ボールペンの特徴
顔料インクというのは、溶剤には溶けずに個体の状態のままで溶剤に存在させて使用する色素のことを言います。そのため紙などには染み込むというよりも、溶剤を通じて紙の表面に色をつける形になります。
言葉の通りですが、天然の鉱物や植物などを潰して顔に塗布し、色をつけるなどしていたことから来た言葉です。顔料インクによる水性ボールペンの特徴としては、速乾性があり耐水性に長け、汚れにくいというのが特徴でしょう。