国産名門ブランド!今治タオルの魅力と特徴を徹底解説
朝顔を洗った時やお風呂に入った後など、水がついていたら必ず使用するのがタオルですよね。直接肌に触れるので使い心地はとても気になるところです。それこそタオルはどこへ行っても手に入るだけに、使いやすさをポイントに購入する人も多いかと思います。
そんな中、他のタオルとは一線を画した非常に使い心地や使い勝手がいいタオルがあるとすれば、誰もが購入したくなるのではないでしょうか?それが今治タオルと呼ばれる商品です。こちらでは国産名門ブランドである今治タオルの魅力と特徴を徹底解説していきます。
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今治タオルとは?
さて、まずは今治タオルそのものをご存知ない方が多いと思うので、そこから解説していきましょう。
名称は「今治タオル」と書いて「いまばりたおる」と読みます。このタオルは四国は愛媛県北部にある今治市でおよそ100年以上前から作られ続けてきた伝統的なタオルなのです。
もちろん昔からの製法だけでなく、最新技術を巧みに融合させながら、現在の使い心地を重視したタオルをはじめ、ファッションやインテリア業界でも注目を集める豊富なタオル(パイル)アイテムとして使用されています。
今治市について
先述しましたが今治タオルは愛媛県今治市で製造され始めた製品です。今治市は100年以上の歴史を持つタオルの一大産地であり、業界では「made in 今治」と言えば高級・高品質タオルの代名詞となっています。
今治市でタオルが盛んに作られるようになったのも、その地域性やタオルを生産するのに適した産地であったからこそです。
今治市には高縄山系を源流とする蒼社川の伏流水や、霊峰石鎚山より流れ出た地下水など極めて重金属が少なく硬度成分も低い軟水であるため、晒しや染めに適した良質の水が豊富にあります。この軟水が今治タオルの上質な使い心地を生んでいます。
今治タオルを生んだ村上水軍の末裔
また今治市はかつて日本中世の瀬戸内海で日本最大の海賊として活躍した「村上水軍」の拠点の1つともなっていたと言われています。海賊というと聞こえは悪いかもしれませんが、瀬戸内海にて海上に関を設定して通行料を徴収したり、水先案内人の派遣や海上警護請負などを行い、晩年は毛利水軍の一翼として戦国自体を戦い抜いた一族です。
やがて豊臣秀吉が治めると海賊停止令が出され、海賊集としての活動から撤退を余儀なくされ、完全に海から遠ざけられる形で、一部の一族は同胞と共にこの今治市に封されたようです。
陸に上がった彼らはそこで生きていく術を模索する中で、時代は明治時代へと移り変わりました。この時代は日本の絹織物が世界へ輸出されるようになり、そこに目を付け、現在のタオル作りの元が始まったとされています。
村上水軍の血は先進気鋭の気質となり、素材選びから、織り、染め、後処理に至るまで徹底的にこだわり抜いています。そうしてノウハウを蓄積して卓越した職人技となり、協働する完結した産地として、他に類を見ない今治タオルと言うものを完成させました。
さらに品質を高めるため、独自の品質基準を定めた四国タオル工業組合が今治市にあるタオルメーカーを取りまとめており、その品質やブランドを厳しい審査で徹底的に管理しています。その詳しい話は後程ご紹介してます。
今治タオルの特徴
それではなぜ今治タオルが高品質と言われるのか、その所以となる特徴について紹介してきます。基本的には普通のタオルと比べても全ての水準で上回っていることが、高品質と言われる理由となっています。主には以下の項目が挙がります。
- 吸水性に優れている
- やわらかい肌触り
- 厳しい審査基準がある
- 色落ちしにくい
- 脱毛しづらい
以上5つの点が一般的なタオルよりもはるかに優れているポイントだと言われています。それでは1つずつポイントを見ていきましょう。
吸水性に優れている
まず上がる特徴はこの吸水性にあります。通常のタオルは吸水性を上げるため使用する前に必ず洗濯するのですが、今治タオルは最初の洗濯をしなくても使用することができます。品質基準の審査にも入っているのですが、沈降法と言うものが用いられており、この吸水性をクリアしていなければ今治タオルとして出荷できないほど徹底しているポイントでもあります。
汗や水分を素早く吸収するので、お風呂上りに体を拭いてもべとつかず、肌にもやさしいのが特徴です。これは厳選された素材の1つである高品質な綿とその製造工程がなせる業となっています。
やわらかい肌触り
第2の特徴として注目を集めるのはそのやわらかさです。柔軟剤を使用して洗わないタオルとして、こちらも審査基準である沈降法の中に項目が含まれており、厳しい審査を通過したものでしか出せない品質となっています。
こちらも先述の綿の吸水性のあるやわらかさを持続させ、痩せて硬くなりにくいタオル作りをしている結果とも言えます。そのやわらかさと肌触りは綿の特性を最大限活かしており、赤ちゃんのデリケートな肌に使用しても問題ないほどの出来となっています。
厳しい審査基準がある
今治タオルは様々な厳しい審査基準をクリアして初めて出荷できます。その方法はJIS規格のものはもちろん、先ほどから出てるく沈降法をはじめとした独自の試験方法によって審査されます。その基準の詳しい内容は後述にて。
色落ちしにくい
先述しましたが、今治タオルの山地には極めて重金属が少なく硬度成分も低い軟水が流れており、この水は晒しや染めに適した良質なものとなっています。この水と100年以上続く最高クラスの染色技術によって色落ちや色移りしにくいタオルとして仕上がっています。
脱毛しづらい
脱毛率が非常に低いのも特徴です。これは高品質な繊維長の長い綿花を使用し織り上げることで実現しています。また先ほどの審査基準の1つでもありますが、パイル地、無捻糸、シャーリング地と個別基準を定めており、その審査をクリアしてくるので、脱毛しにくくなっています。
今治タオルを名乗れる審査基準
今治市の紹介でも出てきましたが、今治市のタオルは「四国タオル工業組合」が定めた審査基準をクリアしなければ今治タオルを名乗ることはできません。もちろん今治タオルを名乗るのであれば、産地である今治の素材を使っていることも条件になりますが、「今治産=今治タオル」ではないのです。
今治産の中でも、この基準をパスして認証を受け、そのブランドマークとロゴマークを得てこその今治タオルなのです。それではその四国タオル組合が定めた審査基準について見ていきましょう。
今治タオルの審査基準について
今治タオルの審査基準は以下のような基準項目と試験方法、合格基準を採用しています。
タオル特性
試験項目 | 試験方法 | 合格基準 |
吸水性 | JIS-L1907 「沈降法」 |
5秒以内 (未洗濯と3回洗濯の2回の審査に 両方とも合格) |
脱毛率 | JIS-L0217 洗い方103法 (タオル検法) |
パイル 0.2以下 無撚糸 0.5%以下 シャーリング 0.4%以下 |
パイル保持性 | (タオル検法) | BT・KT 2.45cN / パイル以上 FT・WT 2.16cN / パイル以上 |
染色堅牢度
試験項目 | 試験方法 | 合格基準 |
耐光 | JIS-L0842 「カーボンアーク法」 |
4級以上 (パステル色及び淡色3級以上) |
洗濯 | JIS-L0844 A-2号法 |
変退色 4級以上 汚染 4級以上 |
汗 | JIS-L0848 | 変退色 4級以上 汚染 3~4級以上 |
摩擦 | JIS-L0849 (II型) |
乾燥 4級以上 湿潤 2~3級以上 (濃色及び顔料プリントは0.5級下げる) |
物性
試験項目 | 試験方法 | 合格基準 |
引張強さ | JIS-L1096 A法 (ラベルドストリップ法) |
縦 147N以上 横 196N以上 |
破裂強さ | JIS-L1096 A法 (ミューレン形法) |
392.3KPa以上 |
寸法変化率 | LIS-L1096 G法 (電気洗濯機法) |
±7%以内 |
メロー巻き部分の 滑脱抵抗力 |
JIS-L1096 (タオル検法) 「滑脱抵抗力ピン引掛け法準用」 |
縦 20N以上 横 30N以上 |
有機物質
試験項目 | 試験方法 | 合格基準 |
遊離ホルムアルデヒド | 厚生省令第34号 「アセチルアセトン法」 |
吸光度差0.03以下 |
※「」は四国タオル工業組合の独自審査基準、あるいは独自に採用している基準です。
いろいろ難しいことが書いてありますが、結局のところこれだけの項目と試験をクリアしたものが今治タオルとして出荷することが許されているのです。項目数にして12種類の審査を突破しなければならず、その合格基準も一般的な数値よりも厳しくなっています。
これはJIS規格やLIS規格だけでなく、日本タオル検査協会(JTIF)のC評価基準のものや独自の審査基準を設けているためでもあります。
今治タオルのブランドマークとロゴデザインについて
厳しい審査を通過し、出荷が認められた今治タオルには一目でそれと分かるようにブランドマークとロゴが与えられ、織り込まれます。これには「クオリティ」・「先進性」・「独自性」・「安心感」・「やさしさ」を象徴する証として、独自の認定基準に合格し、高品質のタオル商品であることを保証するものとして織り込まれるのです。
またブランドマークには今治の恵まれた美しい自然「太陽」・「海」「空」・「水」をモチーフとして用いられ、3色のカラーが使われています。そのカラーにもそれぞれに意味があります。
赤は「昇りゆく太陽」と「産地の活力」、青は「波光煌めく海」と「豊かな水」、白は「空に浮かぶ雲」と「タオルのやさしさや清潔感」をそれぞれ象徴的に採用しています。
※今治タオルは四国タオル工業組合の地域団体商標です。