災害に備える洗面用具の選び方
防災グッズは、重要度の高い水と食料だけ用意しておけば良いと考えていませんか?自身の体を清潔に保つ為の洗面用具は、肉体的にも精神的にもストレスを和らげ、病気の予防にもなる重要な防災グッズです。防災グッズとしての洗面用具を選ぶ上でのポイントをご紹介します。
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洗面用具の重要性
国や各地方自治体などが出している災害対策のマニュアルには、用意しておくべき防災グッズの中に必ずと言っていいほど洗面用具が記載されています。
歯ブラシや髭剃り、タオルなどの洗面用具は、水や食料、医薬品などの防災グッズと比較すると優先度が低い様に思ってしまいがちです。
しかし、洗面用具は非常に重要です。過去の震災において歯ブラシ等の洗面用具の準備不足によって口の中のケア(口腔ケア)が不十分となり、虫歯や歯周病などに悩まされる被災者が多かったのです。
これらの疾患を甘く見てはいけません。特に歯周病は糖尿病や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞の発症や悪化の原因にもなり得ます。また、口の中で増殖した細菌が気管に入り込み、肺炎(誤嚥性肺炎)になる人も多かったのです。
過去の震災で肺炎になった人の中には、亡くなった人もいます。怖いのは病気だけではありません。
大規模災害が起こるとライフラインが遮断され、避難所生活になることも考えられます。綺麗好きな日本人には、お風呂に入れないことは大きなストレスとなります。
被災者の声にも、食事の支給が開始されて食事面での不安が少なくなると、次に気になることは自分の「汚れや臭い」だったそうです。
粉塵や泥、汗や皮脂によって体や口が汚れて体臭を発することは、想像以上に大きなストレスとなります。口臭が気になって人と話すことが出来なくなったり、汚れた髪や体で人に会いたくなくないと、明るかった性格が変わった被災者も少なくなかったそうです。
このように、自身の体を清潔に保つ洗面用具は、被災時にも必要性の高い防災グッズなのです。
洗面用具選びのポイント
では、自身の体を清潔に保つための洗面用具を防災グッズとしてどのように選べば良いのでしょうか?
旅行に持って行くような歯ブラシセットやシャンプーを非常持ち出し袋に入れておけば良いと言うわけではありません。
防災グッズとして洗面用具を選ぶ上で押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- 水が不要なもの
- 口腔ケア
- 体臭ケア
これらのポイントについて詳しくご説明します。
大前提は水が要らないもの
防災グッズという観点から、洗面用具には最低限「水が不要」な点が求められます。
大規模災害で避難所生活を強いられる場合、電気・水道・ガスのライフラインが止まっていると考えられます。このような水が貴重な場合は、歯磨きやシャンプーに水を使うことが出来ません。
過去の震災では上下水道の復旧にかかる期間は、場所によっては数か月もかかっています。避難所にも長期になれば仮説のお風呂が設置されることもありますが、飲料水以外の水が自由に使えるようになるまでには長い時間がかかります。
水が使えるまでは歯磨きもできないと言うのでは、前述したように肺炎などの病気のリスクが跳ね上がります。
そこで、水が貴重な災害時にも使えるように、水が不要な洗面用具が必要なのです。
防災グッズとして水が不要なシャンプーやせっけん、歯磨きシートなどが販売されていますので、このポイントを防災グッズ選びの最低限の基準として下さい。
口臭対策になる口腔ケア
自身の体を清潔に保つ洗面用具で最も優先度が高いのが「口腔ケアグッズ」です。前述したとおり、口腔ケアを怠ると虫歯や歯周病、肺炎などになるリスクがあります。
それだけではなく、口臭が酷いと心理的な負担も大きく、人と話すことを避けるようになってしまいます。
そうならない為にも、優先的に準備しておく必要があります。おすすめの口腔ケアグッズは、歯磨きシートです。もちろん水が不要であり、シートで歯を擦るだけで汚れが取れ、口臭を抑える効果があります。
体臭を防ぎ体を綺麗にする
同様に、髪の毛や体を清潔に保つ洗面用具も準備しておいた方が良いです。水の不要なシャンプーや石鹸も多くのメーカーから発売されていますので、比較的簡単に入手出来ます。
他にも、拭くだけで汚れが良く落ちるウエットティッシュのような製品もありますので、おすすめです。