火山噴火に備える防災グッズのリスト
近年注目度が上がって来ている全国の活火山に対する噴火の懸念。もし住んでいる地域の火山が噴火した場合、大量かつ広範囲に火山灰が降下し、健康被害が出るだけでなく、火山に近い場所であれば噴石が降下する可能性もあります。そんな火山の噴火に備えるための防災グッズをリスト化しましたので、備える際の参考にしてください。
ここでは、火山の噴火に備えるための防災グッズリストだけでなく、火山噴火による被害を抑えるために知っておきたい様々なことについても解説していきます。
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火山の降灰に備える防災グッズの基本リスト
火山灰というのはただの灰ではなく、火山から噴出された直径2mm以下の物を指します。火山ガラスや鉱物結晶などが火山灰には含まれているため、目や呼吸器系に影響を及ぼすだけでなく、皮膚に触れるだけで炎症を起こすこともあります。
そのため火山灰に接触することが考えられる場面では、極力直接的な接触を避けることに加えて、髪の毛や衣服への付着も防ぐことが重要となります。
そんな、火山の噴火に備えるための防災グッズをリスト化しました。まずは降灰の前に以下のものはしっかりと備蓄しておきましょう。また、火口に近い場所に住んでいる人が準備するべき防災グッズは次の項でリスト化してありますので、そちらも合わせて参考にしてください。
防災グッズ | 備考 |
帽子 | 火山灰の降下から頭部及び首から上全体を守る必需品。探検家のような全方向にツバを持ち、後部にもヒサシのあるタイプを選ぶのが良いでしょう。 |
防塵ゴーグル | 火山灰対策としては、換気孔の無い物、JIS規格でT8147をクリアした強度のものがおすすめされます。 |
防塵マスク | 一般的な風邪用マスクではなく防塵マスクを使用しましょう。普段使いには「N95マスク」を使用し、緊急時はさらに目の細かい「N100マスク」を使うのがおすすめです。 |
懐中電灯 | 大規模な火山噴火で降灰が起きると、太陽光が遮られて夜のように暗くなります。火山灰が送電機能に影響を与える場合もあるので注意しましょう。 |
フェイスマスク | マスクやゴーグルと合わせて、火山灰から首から上を守るためにフェイスマスクも準備しましょう。 |
レインコート | 一般的な衣類だと火山灰が体に降り積もります。足首や腰などからの侵入を防ぐためにもレインコートを用意しましょう。 |
ビニール手袋 | 手先や袖口を火山灰から守るためにも、ビニール手袋などを使用しましょう。作業時はこの上に軍手などを使用します。 |
スノーブーツ | 雪道や凍結での路面でもグリップするスノーブーツであれば、火山灰が積もった路面でも安心して歩けます。長靴タイプがおすすめです。 |
携行品カバー | コンパクトな電子機器はサランラップやジップロックに包んで使用します。バッグやベビーカーなどにも専用のカバーを準備しましょう。 |
非常食 | 最低3日分の水と食料を用意しておきましょう。 |
携行ラジオ | 普段ラジオを聴かない人でも、災害時の情報収集には必要不可欠なので準備しておきましょう。 |
暖房等の燃料 | 火山の降灰時は家の中で過ごすことが増えます。燃料の必要な暖房器具は燃料をしっかり準備しておきましょう。 |
予備の衣服 | 降灰時は部屋干ししかできなくなります。また火山灰で汚れた衣料は廃棄することも増えるので、予備の衣料はしっかり準備しておきましょう。 |
常備薬 | 降灰の度合いによっては家の中で缶詰状態になります、持病の薬であったり、風邪や発熱などの常備薬を備えましょう。 |
救急セット | 降灰による怪我はそこまで多くありませんが、救急セットは準備しておくのがおすすめです。 |
清掃用具 | 降灰が続くと掃除が必要になります。掃除機のスペアバッグやフィルター、さらには雪かきのように杯を掃除しなければならないのでシャベルなども準備しましょう。 |
現金 | ATMが停止することがありますので現金を準備しましょう。小銭なども合わせて用意するのがおすすめです。 |
火口に近い場所における防災グッズリスト
火山の火口に近い場所に住んでいる人の場合は、火山灰の降下以外にも噴石の降下や有毒ガスに対する防災グッズも準備しておくことが大切となります。以下のリストを参考に備蓄しておきましょう。
防災グッズ | 備考 |
ヘルメット | 噴石に備えてヘルメットは必須です。折りたたんで持ち運びできるものや、シールド付きのヘルメットもあるので、好みに合わせて選びましょう。 |
防炎服 | 火災の発生に備えて防炎服を用意しておくのもおすすめです。 |
防弾ベスト | 噴石による被災を防ぐためにも防弾ベストの着用が推奨されます。 |
手袋 | 火災時などの作業も想定して、熱に強い革やパラ系アラミド繊維の手袋を用意しましょう。救出にも重宝します。 |
防毒マスク | 火山ガスには二酸化硫黄(亜硫酸ガス)が含まれるため、対応している防毒マスクを準備しましょう。 |
交換用吸収缶 | 防毒マスクの吸収フィルターの交換用もしっかりと準備しておきましょう。 |
浄水器 | 汚染有害物質を水から除去するための浄水器を備えましょう。携帯用のタイプもあります。 |
火山噴火時の緊急帰宅に必要な防災グッズリスト
職場などでの仕事中に火山が噴火すると緊急帰宅することになります。この時に何の準備もなければ最悪の場合火山灰が降り積もる中を何時間も歩いて帰ることになるため、火山灰の降下が予測される場所で生活している人は、緊急帰宅用の防災グッズを準備して持ち歩くか職場などに置いておくことが大切となります。
防災グッズ | 備考 |
防塵マスク (1枚) |
帰宅時に火山灰を吸い込まないために、一般的な風邪や花粉マスクではなく防塵マスクを用意しましょう。 |
防塵ゴーグル (1個) |
通気口などの存在しない防塵ゴーグルを用意することで、帰宅時の火山灰から目を守ることができます。 |
レインウェア (1着) |
火山灰から肌や衣類を守るためにも、緊急帰宅用としてレインウェアやポンチョなどを用意しましょう。動きやすいレインウェアがおすすめです。 |
使い捨てトイレ (1回分) |
噴火直後は仮設トイレがありません、コンビニなどのトイレが見つからない場合に備えて1回分の簡易トイレを準備しましょう。 |
防寒シート (1枚) |
防寒のためとはいえ毛布などは火山灰の降る屋外で不便です。アルミタイプの防寒シートを準備しましょう。 |
ラップフィルム (適量) |
コンパクトなサイズのサランラップなどを準備し、火山灰からスマホなどの電子機器を包んで保護しましょう。 |
携行食 (適量) |
保存期間が長く栄養価の高い携行食は必須です。 |
飲料水 (500ml) |
噴火直後はコンビニなどの飲料が売り切れます。帰宅のためにも500ml程度のサイズは用意しておきましょう。 |
ウェットティッシュ (1個) |
火山灰を拭き取る時に便利ですし、様々な用途に使えるため1個は入れておきましょう。 |
バッグカバー (1セット) |
バッグを火山灰から守るためにもバッグカバーを用意しましょう。適当な物がなければビニール袋でも大丈夫です。 |
火山の噴火に備える防災グッズの考え方
火山の噴火に対する防災グッズ選びは、当然ですが噴火している火山からどれくらいの距離に住んでいるのかによって変わってきます。直接的に影響が出てくる地域もあれば、火山が噴火したって普段通りの生活ができる地域もあるのです。しかし、火山の付近に住んでいる人であれば、最悪の場合、噴石や溶岩流、火砕流といった甚大な被害を被る場合もあります。
上記の防災グッズリストを備えることも大切ですが、まずは住んでいる地域の近くにある活火山を調べることや、火山の状況によってどのような防災グッズを選ぶべきかなどを考えることが重要となります。
火山の噴火対策用マスクの種類
火山の噴火によって多くの人が被るであろう最たる災害といえば「降灰」です。
上の項でも解説しましたが、火山灰というのは一般的な”灰”ではなく、火山ガラスや鉱物結晶などを含んでいるため、吸い込んでしまうと呼吸器系への影響は計り知れません。風邪や花粉などで使用するようなマスクでは到底防ぎきれないため、工事現場や工場などで使用されている「防塵マスク」が必要となります。
もちろん火口近くでは有毒ガスの発生や火災も起きることが予測されるため、住んでいる地域によっては防煙マスクや防毒マスクなども必要となるでしょう。そんな、火山の噴火に対するマスクの種類は大きく分けて4つの種類があります。
- 防毒マスク
- 防煙マスク
- N95マスク
- N100マスク
防毒マスクと防煙マスクは、火山に近い場所に住んでいる人であれば必ず備蓄しておきたいマスクです。
N95マスクとN100マスクは降灰が予測される地域の人が備蓄するべきマスクです。N95とN100は集塵性能に違いがあり、数字が大きい方が集塵性能が高い反面、吸気や排気に抵抗感があります。またN95とN100には10倍近い値段の開きがあります。
一般的な火山灰であればN95で十分対応できますので、コストや使い勝手を考慮し、N95をメインマスクとして準備し、緊急用に数枚N100のマスクを備蓄しておくのがおすすめです。
マスクを選ぶことも大切ですが、火山灰は呼吸器以外にも肌への付着や目に入ることも注意しなければいけませんので、レインコートやゴーグルといった防災グッズもしっかりと準備しておきましょう。
住んでいる地域の活火山について
気象庁によって全国の活火山の情報が掲載されています。まずはご自身の住まわれている地域に対する活火山のリスクをはかるためにも、お近くの活火山の状況を調べておきましょう。
火山のハザードマップ
火山の噴火による危険地域がひとまとめになったハザードマップというものがあり、国土交通省が紹介しているページで確認することが可能です。
ハザードマップには火山以外にも、洪水や津波といった様々な災害の発生が予測される地域が表示されていますので、ご自身が住まわれている地域が火山による被害が予測される地域なのかどうか確認しておきましょう。