黒皮鉄板製ダッチオーブンの特徴や手入れについて
みなさんは「ダッチオーブン」という言葉を聞いたことがありますか?知っているけれど使ったことがないという方は多いはずです。鉄製のお鍋だから扱いが大変そう、実際に大変だったという声を聞いた、キャンプなどで使うイメージがある、という方は是非ご覧ください。
使いやすくいいとこどりをした「黒皮鉄板製」のダッチオーブンがあります。黒皮鉄板製と言われてもいまいちピンとこないですよね?そこで今回は「黒皮鉄板製ダッチオーブン」を詳しく解説致します。今までのイメージを覆す鉄製の便利なお鍋がありました!
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黒皮鉄板製ダッチオーブンとは?
黒皮鉄板製ダッチオーブンとは黒皮鉄板でできたダッチオーブンのことであり、まずはダッチオーブンのことについて言及していきます。
「ダッチオーブン」とはアメリカの西部開拓時代に使用された鉄製の黒い鍋です。西部劇の食事シーンで度々目にします。
最大の特徴は蓋の上に炭火などの加熱物を置けることにあります。上からも下からも加熱ができるので、まんべんなく火が通せるオーブンのように使えるのです。
また、この蓋が分厚く重いため蓄熱性・保温性に優れており食材にじっくりと火を通せるため、煮る・蒸す・焼くなどあらゆる調理法が可能となっています。
元来キャンプなどのアウトドアで活躍していた調理器具なのですが、最近では家庭向けに改良されたものもたくさん販売されているため広く浸透してきています。
大きく分けて鋳鉄製、黒皮鉄板製、ステンレス製の3種類があり鋳鉄製のものが一般市場で最も出回っていますが、今回は黒皮鉄板製に的をしぼっていきたいと思います。
黒皮鉄板とは?
黒皮鉄板製のダッチオーブンは1枚の鉄板を鍋型にプレスして作られています。鋳鉄製は鍋状の型に鋳物素材を流し込むことで成型しており、この製造方法が2つの大きな違いです。
また、「黒皮」というのは鉄を1200℃程度の高温で加熱し表面が酸化したことでできる「酸化被膜」のことを指しています。この酸化被膜は赤サビの防止となることに加え、塗装被膜とは違って母材である鉄自身から生成したものなので剥がれにくいことが特徴です。
黒皮鉄板製ダッチオーブンの特徴
ここまで特徴について詳しく解説してきました。これまでダッチオーブンには手を出せなかった方々、鉄製のお鍋は扱いにくいというイメージは少し払拭されてきたでしょうか?それでは実際にメリット・デメリットを挙げて実用性を確認しましょう。
メリット
まずはメリットから見ていきます。黒皮鉄板製特有の4つの良さがあります。
手入れが簡単
ダッチオーブン最大の難点は「シーズニング」という最初の準備にあります。シーズニングとはクリアラッカー(新品の鍋に付着しているサビ防止のワックス)をはがす作業のことで、工程が多く時間がかかる上に火傷の危険も高いので嫌がる方が多いです。黒皮鉄板製はシーズニングの作業工程が少なくとても簡単です。
清潔に使える
黒皮にあたる酸化被膜のおかげで、たわしでごしごし擦っても問題ないですし洗剤で洗うこともできます。鋳鉄製は基本的に洗剤で洗えないので清潔に使いたい方にはとても助かります。
頑丈でタフ
一枚の鉄板をプレスして成型しているため頑丈でタフです。誤って強い衝撃を加えても簡単には壊れません。また、急激な温度変化にも強いので安心して使えます。
サビにくい
前述していますが酸化被膜は鉄自身から生成していて、そのコーティングが剥がれにくいため比較的サビにくいです。
デメリット
そして気になるデメリットです。2つ程ですがチェックしておくべき項目と言えそうです。
灰色に変化する
使い込んでいくと灰色に変化してしまいます。これは鉄本来の色に戻っているだけで使用上問題はないのですが、気になる場合は再度シーズニングが必要となります。
扱うのが大変な重さ
これはダッチオーブンに共通している欠点ですが、重いため女性が扱うのは少々危険が伴います。また、キャンプなど子供も参加している場合、重くて熱い鍋なので厳重注意が必要となりそうです。
どんな人・どんな料理におすすめ?
材料を入れて火にかけたらあとは放置するだけ、という手軽な調理が可能な万能器具なので、料理初心者から凝ったものを作りたい上級者まで幅広い層に使用して頂けます。
また、キャンプなどアウトドア好きの方は外せない調理器具です。お手入れも簡単なので旅先でも面倒になりません。一方で重さのデメリットもあることから、女性よりも男性のアウトドア好きの方には特におすすめです。
ダッチオーブンの特徴である重い蓋のおかげで、水分を逃がすことなく加熱できますし、食材の水分だけで煮込むことが可能となっています。そのため、アクアパッツァや角煮などの煮物は最適です。
蓋の上に炭火を載せることもでき上下から加熱できるので、加減の難しいローストビーフも作りやすいです。ローストビーフを作りたいがためにダッチオーブンを購入する方もいるほどです。
また、高い圧力と保温性により高温でじっくり温めるような調理が可能なため、パンやケーキも美味しく仕上がりそうです。その際、キャンプなどでは火加減の調整が難しいので炭の量などは要注意です。
黒皮鉄板製ダッチオーブンの手入れについて
鋳鉄製ダッチオーブンと比べると圧倒的に楽ですが、手入れをする必要はあります。
使用した後、洗い終わって乾かしたら油を塗る作業も欠かせません。酸化被膜があるとはいえ完全なサビ防止ではないので、手入れを怠ってしまうととサビやすく劣化を早めることになります。
また、購入後初めての使用時に簡単ですがシーズニングが必要です。そのまま調理を開始してしまうと、クリアラッカーの匂いが料理に移り台無しになってしまいます。