好みで選ぶ!ダッチオーブンの種類と上手な選び方
ダッチオーブンの選び方についてご紹介します。ダッチオーブンには様々なタイプのものが販売されており、選び方で悩んでいるという方は多いのではないでしょうか。
その中でも、特に迷ってしまうのはダッチオーブンの素材選びでしょう。ダッチオーブンの主な素材には鋳鉄製・黒皮鉄板製・ステンレス製がありますが、どれも一長一短でメリット・デメリットがあります。
こちらでは、ダッチオーブンの素材の特性を中心に、ダッチオーブンの選び方について解説します。
素材の特性の他にもダッチオーブン選びに役立つポイントをご紹介しますので、ダッチオーブンの購入をご検討中の方はお役立てください。
スポンサーリンク
ダッチオーブンの種類
ダッチオーブンには、様々な素材で作られたものがあります。その中でも商品数の多い、鋳鉄製、黒皮鉄板製、ステンレス製のダッチオーブンについて素材別にご紹介します。
鋳鉄製ダッチオーブン
現在の価格はコチラ |
鋳鉄とは、鉄を使った鋳物製品のことです。ダッチオーブンの原型である、ヨーロッパで使われていた鍋「ビーンポット」も鋳鉄製であり、もっとも原初的なダッチオーブンの素材と言えます。
「ロッジ」や「ロゴス」などのメーカーが採用している素材です。
無加工の鉄は非常に錆びやすく焦げやすいため、使い始めにはシーズニングという油を焼き付けてコーティングする作業が必須となります。メーカーによっては、工場出荷時にこのシーズニング作業を終えた状態で販売されているものもあります。
他にも必要なメンテナンスが多く手入れが大変な素材ではありますが、使い込むうちに黒々と光ってくる様子を「育てる」と表現し、楽しむ人も多いようです。
ステンレス製やアルミ製のものに比べ重さがあり、蓋の重みで水蒸気を閉じ込めて調理する無水調理や圧力鍋のような使い方に向いている反面、大きなサイズになると大変重く扱いが大変な素材でもあります。
また、鉄製のため、使い始めは素材に鍋肌の鉄の匂いが移り、金属臭が気になる場合もあります。
鋳鉄製のものは様々な素材のダッチオーブンの中で、もっとも安価な価格帯の素材でもあります。
黒皮鉄板製ダッチオーブン
現在の価格はコチラ |
鋳鉄製のダッチオーブンに、製造過程で黒皮と呼ばれる皮膜をつける表面加工を施したものです。黒皮鉄板製のダッチオーブンは「ユニフレーム」というメーカーのものが有名です。
表面加工のおかげで錆びにくく焦げ付きにくいのが特徴で、シーズニングやメンテナンスは不要です。また、表面加工はシーズニングの油でコーティングしたものとは違い剥がれにくいので、洗剤や金タワシで洗うことができます。
鋳鉄製のダッチオーブンよりも使い勝手が良いように改良された素材ですが、鋳鉄製のもののように使い続けることでの見た目の変化がないので「育てる」ことを楽しみたい方には向かない素材です。
重量は、鋳鉄製のものよりもやや軽いですが、内部は鉄製のためステンレス製のものよりは重さがあります。
また、表面加工の分、価格帯も鋳鉄製のものよりはやや高価になります。
ステンレス製ダッチオーブン
現在の価格はコチラ |
ステンレスとは、クロムやニッケルを含んだ銀色の錆びにくい合金です。これを使って作られるのがステンレス製のダッチオーブンです。「SOTO」「ESCO」などのメーカーから発売されています。
ダッチオーブンの素材としては新しいものとなり、錆びにくく手入れが不要で一般的な鍋のように使えます。また、鋳鉄製のダッチオーブンにある鉄の金属臭がしないことも特徴です。
鋳鉄製、黒皮鉄板製に比べて軽く、女性でも楽に扱うことができるでしょう。
鋳鉄製や黒皮鉄板製のダッチオーブンと違う銀色のスタイリッシュな見た目も人気ですが、使い続けていくうちに「育つ」というより「汚れる」といった感じの見た目の変化があることも特徴です。発売元がクリーニングサービスを行っていることもあります。
ステンレス製のダッチオーブンは他の素材のダッチオーブンに比べて高価で、同じサイズの鋳鉄製ダッチオーブンの倍近い価格であることもあります。
ダッチオーブンの選び方のポイント
様々なデザインやサイズのダッチオーブンが販売されていて、ダッチオーブンを初めて購入する方は迷ってしまいますよね。使い勝手やサイズ、価格など、選び方のポイントを様々な面からご説明します。
炭を乗せやすいかどうか
ダッチオーブンが他の鍋と大きく違う点は、火の上に置いて下から熱するだけでなく、蓋の上に炭を置いて上下から中の食材を熱することができる点です。
そのため、ダッチオーブンを購入する際は上に炭を乗せやすい形状かどうかは重要なポイントとなります。
蓋の周りに縁が付いていたり、炭を乗せるために蓋の真ん中あたりが窪んでいたりと、メーカーにより様々な工夫で炭を乗せやすい形状のダッチオーブンが作られています。
ダッチオーブンという名称で販売されていても、蓋が丸みを帯びているなど炭を乗せられないデザインの商品もありますので、ダッチオーブンを購入する際は炭を乗せやすい形状かどうかをチェックしておきましょう。
家庭でも使えるかどうか
ダッチオーブンには、野外で焚き火の上に置いて使うために底に脚がついたものと、家庭のコンロなどで使うために底が平らになったものの二種類があります。
家庭でダッチオーブンを使う場合には底が平らなものを選ぶことになりますが、そのなかでも注意するべき点がいくつかあります。
まず、購入するダッチオーブンがIH対応かどうかです。現在のお住まいのキッチンがIH調理器の場合、また将来的にIH調理器に変える可能性がある場合、IH対応のダッチオーブンを選ぶ方が良いでしょう。中にはIHとコンロ両用のダッチオーブンもあります。
また、家庭でダッチオーブンを使う場合、その重さも重要となります。ダッチオーブンは厚手の金属鍋のため、他の鍋よりも重くなりがちです。
そのため、あまり重い素材のものを選んでしまうと洗うのが大変だったり、収納場所が高い場所にしかない場合は持ち上げるのにも労力が要ります。
また、ダッチオーブンで調理したものをそのまま食卓に出す場合には、鍋の重さに食材の重さも加わりますので、購入する際はその点も加味して扱いやすいダッチオーブンを選ぶようにしましょう。
サイズ
ダッチオーブンを購入する際には、サイズの選び方も大きなポイントとなります。ダッチオーブンは様々なサイズのものが販売されていますが、一般的に多いのが10インチ、12インチの二つのサイズです。
「大は小を兼ねる」とも言い、大きければ来客など大人数にも対応でき、また料理の幅も広がります。大きな塊肉や丸鶏を調理したい場合には、大きなサイズで深さのあるものを選ぶと良いでしょう。
ダッチオーブンといえば大きな鍋というイメージがある方も多く、見栄えで大きなサイズを選ぶ方も多いようです。
しかし前述しましたがダッチオーブンは大変重いため、12インチの鍋に水や食材などを入れると女性では扱いが難しい場合が有ります。また、日本のコンロにのせてちょうどいいのは10インチのものとなります。
10インチより小さなサイズのものも様々なメーカーから販売されていますので、一人暮らしの方や女性などは小さなサイズのダッチオーブンを選んでもいいかもしれません。
家族の人数や作りたい料理に合わせて、自分に合ったサイズのダッチオーブンを選ぶようにしましょう。
価格
ダッチオーブンを購入する場合、価格も気になるポイントの一つでしょう。メーカー、素材などを問わないダッチオーブン全体の中心価格帯は1万円前後となっています。
ノーブランドのものや鋳鉄製のものなど、安価なものなら5,000円以下から購入することができます。逆に高価なものになると、有名メーカー製やステンレス素材のものなど数万円のものも多くあります。
ダッチオーブンをまだ使ったことがなく、使い心地を試してみたいという方はまず初めに安価なものから購入してみるのも方法の一つです。使ってみて気に入り、今後使う頻度が上がりそうだと考えれば高価なものに買い換えても良いでしょう。
あるいはダッチオーブンを単なる調理器具としてではなく、「育てる」ことを趣味とするために購入したい場合は、自分が愛着を持てるこだわりのダッチオーブンを購入することをおすすめします。
ダッチオーブンを選ぶ際は自分の使いたい用途や使う頻度を考え、納得できる価格のものを購入しましょう。
素材別:ダッチオーブンの選び方
ダッチオーブンの選び方を、素材別に解説します。それぞれの素材のメリット・デメリットをくわしくご説明します。それを踏まえ、どんな方におすすめかをご紹介しますので、ダッチオーブン選びのご参考にお役立てください。
鋳鉄製ダッチオーブン
鋳鉄製ダッチオーブンのメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
メリット
- 他の素材に比べ安価
- 重さがあり無水調理、圧力鍋のような使い方に向いている
- 使い込むうちに味が出て、育てる楽しみがある
デメリット
- 焦げ付きやすく錆びやすいため、シーズニングが必須
- 使っていく中でメンテナンスが必要
- 他の素材に比べ非常に重い
- 使い始めは鉄の匂いがある
どんな人におすすめ?
鋳鉄製のダッチオーブンは、他の素材に比べ扱いにくく、メンテナンスに手間がかかります。そのため、ダッチオーブンを単なる調理器具として使うのみではなく、手入れの手間を含めて趣味のように楽しみたい方におすすめです。
他の鍋とは扱い方が違い大変手間のかかる鋳鉄製のダッチオーブンですが、それでもアウトドアや料理が趣味の方を中心に大変人気が高いです。それは自分だけのブラックポットとして愛着を持って使い込める鋳鉄製だけの魅力があるためです。
せっかくダッチオーブンを購入するならば、長く愛着の持てるものを手に入れたいという方におすすめです。
黒皮鉄板製ダッチオーブン
黒皮鉄板製ダッチオーブンのメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。
メリット
- 鉄製なのに錆びにくい
- 鋳鉄製に比べて軽い
- 使い勝手がいい割に、ステンレス製に比べ安価
デメリット
- 鉄の匂いが気になる場合がある
- 使い続けても見た目が変わらず、育てる楽しみがない
どんな人におすすめ?
黒皮鉄板製のダッチオーブンは、鋳鉄製のダッチオーブンよりも扱いやすく改良されたものですが、鋳鉄製のもののように使い続けるごとに見た目が変わるということはありません。
そのため愛着を持って育てることには向きませんが、劣化しにくいということでもあるので、調理器具として使いやすいものを選びたい方におすすめです。
他の手入れ不要な素材のダッチオーブンに比べ安価であることも特徴なので、手間はかけたくないけれどもなるべく安価にダッチオーブンを手に入れたい方は、黒皮鉄板製のダッチオーブンを選びましょう。
ダッチオーブンを趣味として楽しむよりも、使い勝手と合理性を重視したい方におすすめの素材です。
ステンレス製ダッチオーブン
ステンレス製ダッチオーブンのメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。
メリット
- 錆びない
- 焦げにくく、手入れが不要
- 金属臭がしない
- 鋳鉄製・黒皮鉄板製のものよりも軽い
- 銀色の見た目がお洒落
デメリット
- 他の素材に比べ非常に高価
- 使い込むうちに汚れてくる
- 使い続けても劣化するのみで、育てる楽しみがない
どんな人におすすめ?
ステンレス製のダッチオーブンは、大変扱いが簡単なダッチオーブンと言えるでしょう。ステンレスの特性で錆びることがなく、また鋳鉄製・黒皮鉄板製に比べ軽いので女性でも楽に扱うことができます。
使っていく中でどうしても鍋肌が汚れていきますが、製造元のメーカーがクリーニングサービスを行っている場合もあるので、メンテナンスは自分で手間をかけるよりプロに任せたいという方におすすめです。
価格は他の素材よりも高くなりますが、使い勝手の良さを求めてステンレス製ダッチオーブンを選ぶ方は多いです。また、黒い素材が主流のダッチオーブンの中で、銀色のスタイリッシュな見た目のステンレス製に惹かれるという方も多いでしょう。
そのため、ステンレス製ダッチオーブンは使いやすさと見た目を重視してダッチオーブンを選びたいという方におすすめです。