夫婦喧嘩は要求を受け入れ続けることで起こる
どんな夫婦にとっても、夫婦喧嘩というのは常に避けたいものであるでしょう。では、夫婦喧嘩を避けるために、相手の要求を受け入れ続けたら一体どうなるのでしょうか。ここでは、そのことについて夫婦間で相手の要求を受け入れ続けた実験を元に解説していきます。
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夫婦間の関係に関する実験
夫が妻の意見を受け入れ続ける
夫婦喧嘩が起こる時というのは、ほとんどの場合なんらかのぶつかり合いがあった時と言えます。相手の行動で気に入らない、納得できない部分があった時、ささいなことであっても夫婦間での意見の食い違いがあった時など、なんらかの意見の相違があった場合に夫婦喧嘩が起こることがほとんどです。
では、夫婦間において意見の相違が原因となる夫婦喧嘩が起らないように、どちらかがどちらかの要求を受け入れ続けた場合一体どうなるのでしょうか。これについてオークランド大学においてある実験が行われました。実験の内容は、「夫が妻の要求をすべて受け入れ続けるとどうなるのか」というものです。
この実験の内容に関する決まりは、当初は夫側にのみ通達されます。妻の意見がいかに間違っていようがとにかくその要求を受け入れ続けるのです。ではその結果一体どのようなことが起こったのでしょうか。
夫が妻の意見を受け入れ続けた結果
この実験の結果を先に述べてしまうと、夫側の心理状態がまともなものではなくなってしまったがために、実験がスタートしてからわずか12日間で強制的に終了となりました。
実験の終了を決断したのは、実験を行った研究チーム側であり、第三者の視点からみていてもそれはひどいものだったということが想像できます。
この時、実験の被験者には幸福度、満足度を示す指数を1から10で出してもらっていたが、実験前は男性平均7、女性平均8だったものが、実験後には男性は3まで下落し、女性は8.5へと上昇しました。
つまり要求を出す側にとっては、若干の指数の上昇しかもたらさないにも関わらず、要求を受け入れ続けた側の指数は半分以下にまで落ち込んだということです。これは夫婦間にとって決して良い状態とは言えないでしょう。
夫婦喧嘩がいつおきてもおかしくない状態になるだけではなく、取り返しのつかないような夫婦喧嘩が起こってしまう可能性もあったと言えます。
夫婦喧嘩にならないためのぶつかり合い
「ぶつかり合い=夫婦喧嘩」ではない
上記の実験結果から分かることというのは、意見の相違によるぶつかり合いがたとえなかったとしても、それは「夫婦喧嘩をしていないから良い夫婦」とは必ずしも言えない、言いかえれば、夫婦関係にとって決して良いことではないということです。
つまり、「夫婦間での意見のぶつかり合い=夫婦喧嘩」とは限らないのです。たとえそれが夫婦喧嘩であったとしても、それは夫婦間には必要なものであり、二人の関係を良好に保つための薬でもあるということが言えるのです。
これを読む方の中にも、とにかく口論したりやり合いをするのが面倒、夫婦喧嘩をするくらいなら自分はおとなしくしておいた方がマシ。そんな風に考える方も当然いらっしゃるかもしれませんが、それは必ずしも正しいとは言えないことを理解しておく必要があるでしょう。
夫婦関係に必要な夫婦喧嘩とは
もしも相手の意見に対して自分の意見を述べること、もしくはその意見のぶつかり合いが夫婦喧嘩とするのであれば、おそらくそれは夫婦関係にとって必要な夫婦喧嘩であると言えます。大切なのは、二人のコミュニケーションがしっかりと図られているかということ、しっかりと意見が言い合える関係でいられるかということなのでしょう。
確かに意見の仕方によっては、夫婦間にとって良いとは言えないような、不毛な夫婦喧嘩になってしまうことももちろんあるでしょう。そこは相手が考えていることをしっかりとくみ取り、感情的にならないように話し合いをするように心がけましょう。それによって、たとえ夫婦喧嘩があっても、良い夫婦関係を築けるのと言えるでしょう。